だい。のブログ

毬谷友子さんが21年に渡り演じてきた名作一人芝居「弥々」を観てきました。劇場は池袋の東京芸術劇場のシアターイースト。池袋駅から直結していて、とても綺麗で観やすい劇場です。


「弥々」は、ちょうど2年前にも赤坂で観ました。2011年8月観劇「弥々」  


その時に書いた内容を再掲してみます。


一人芝居は演者の技だけではなく、人生まで覗き見えることがあり、出来る限り観に行きたいと思っていました。

毬谷友子さんの芝居を観る機会は初めてでしたが、「とてつもない人」という噂は聞いたことがありました。元宝塚で娘役トップ寸前だったとか、カソリック信者で芸名の「毬谷」もマリア様からとか、この「弥々」はお父様で劇作家の故矢代静一氏が娘のために書いた作品だった、といった非常に興味そそられるエピソードに事欠きません。

お父様がご逝去後もライフワークとしてこの芝居を続けられています。

その毬谷友子さんが、一人の女性の一生を16歳の少女から72歳の老婆まで、70分で一人語りをし、演じきるものです。シンプルな装飾の舞台で、時折、蝋燭が灯された中で、「良寛」の初恋の相手だった女性「弥々」の生き様が弥々の娘により良寛に対して語られる、というかたちで演じられます。


遣る瀬なく、無惨で、取り返しのつかない人生。弥々の生きるよすがは良寛との以前の交流の記憶のみ。

でも、なんだか明るく、逞しく、ほのぼのと、しています。


毬谷友子さんの声音、少女の時はあどけなく、娼婦の時は艶やかでかつ捨て鉢で、老婆の時は皺がれています。身体から発散する精気も、少女と、さらに年を経て、老婆に至るまで、それぞれに違って感じられます。


素晴らしい芝居でした。毬谷友子さんの芝居、もっと観たいなと思いました。いくつか動画を発見したので、今度アップします。

(以下、略)



2年前より、少し長い時間(80分くらい)になっていました。良寛の書いた漢詩が屏風形式で紹介されることで良寛の人となりを表現しようとしたり、前回より広い舞台を存分に使った演技など、前回よりさらに惹き込まれる舞台でした。衣装も今回の公演の方が魅力的でした。


平日の昼間の公演ということで客席は女性が多く占めていましたが、すすり泣きの声があちことで漏れておりました。


もし機会があればぜひ観ていただきたい芝居です。


あと、毬谷友子さんの出られた映画・芝居の動画をだい。も紹介しておりますので
、ご関心おありの方は観てみてください。最後の宝塚での「カタリ・カタリ」の歌は僕が大のお気に入りです。鈴木清順監督の「夢二」での演技も印象的でした。


毬谷友子さん動画  2011年8月11日だい。のブログ