先日、浅草の演芸で、宮田章司さんの江戸物売りの芸を観ました 浅草21世紀正月公演
。
そして、久しぶりに取り出したのが、この本。
江戸風俗画の研究に打ち込んできた著者の三谷一馬さんが、二十数年の歳月をかけて描きあげた物売り姿百五十を、カラーで収録してあります。
目次は、その扱う品目で項を立てています。
季売り・・・季節の品物。凧から始まり、絵馬や朝顔、すだれやきりぎりす、福寿草や飾り松まで。
飲・食・・・食べ物、飲み物。冷水から酒や塩、味噌。たたき納豆やゆで玉子、鮨や鰯、鰻や鯉など。上の写真は、「七味唐辛子売り」
飴・甘・・・いろんな踊りをして売る飴やかりんとう、大福もちやしるこなど。
薬・・・枇杷葉湯薬や膏薬など
手遊び・・・しゃぼん玉や手車、かんざし、玉すだれや小判売りなど。
道具・・・草箒や笠、竹細工や茶碗、針・糸や手ぬぐい、三絃売りなど。
雑・・・刻み煙草や油、薪や看板書き、花売り、富の札売りや猫の絵描き、傀儡師など。傀儡師は人形遣いのようなものです。
大道芸・物買い・・・砂文字書きやいろんな大道芸や見世物、おちよ舟などなど。
貧しい物売りですが、いろんな奇抜な格好だったり、節回しで人々を楽しませて身のまわりの物や季節の物を売っていく、庶民のたくましさが感じられます。
こういった商売も、潤いを街にもたらすのではと思います。今はなかなか難しいでしょうが。
心にとどめたい文化です。