だい。のブログ


まだ正月休みが明けない1月6日、東京新聞に浅草21世紀の紹介が載りました。


“熱いぜ!浅草ギャグ 「お笑い浅草21世紀」”、という見出しで、この劇団の創設のいきさつから、現在の活動や座長の大上さんの想いまでを温かく応援するような記事でした。  


東京新聞「熱いぜ!浅草ギャグ 「お笑い浅草21世紀」」


この劇団に集い、演じる人たちも温かくひたむきです。


そしてそれを毎月観に来るお客さんたちも、それぞれの生活から抜け出して、言わば「ひなたぼっこ」をするように、この浅草木馬亭でたっぷり笑い、時おりほろっと来て、幕が閉じると身も心も伸びやかに明るく元気になって、自分たちの生活に帰っていきます。


この三連休に木馬亭に行った時、僕が幕が開く前に喫煙場所でタバコを吸っていると、お隣りの見ず知らずのおば様から自然と話しかけられました。「あなた、ここの人?新しく入るの?」


「いえ、ただの客です。まだ去年から半年ほどの初心者です」

「あらぁ、わたしはここ観に来始めて、10年くらいになるわよ」


いろんな話を伺いました。ここの劇団の人とも顔見知りで、まるで見守るような感じでこの劇団に寄り添っている、という風に感じました。


たとえば、売店の物販(ここでは、ビールやお茶、アンパンなどを売っていて、観ながら飲食自由なのですww)が、たとえば雪などで客足が伸びず売れ残っているような時には、常連さんやそうでないお客さんもなるべく買ってあげて売れ残りが極力生じないように皆で気を配ってたり。


先月も先々月も、席のお隣のお客さんに人形焼やお菓子をだい。も貰ったりとか、なんだか客席も温かい感じが漂っています。


浅草21世紀の公演の感想→ 11月公演  12月公演  




さて、今月も二部構成。一部ではコントや漫談、紙切りや歌など。


特に興味を惹かれたのは、宮田章司さんの「江戸売り声」。江戸時代以降、いろんな物売りが声を張り上げて町々を回り、口上を述べて、物を売りさばいていたそうです。


僕が行った日は、金魚売りや刺身売り(クジラやフカ(サメのこと)、フナなど)、七草売りや水売り、飴売り、吉原細見という遊郭のガイドブック売り、煙管の真ん中の部分の管の「羅宇(らう)」の交換や手入れをする羅宇屋、といった口上を聴くことが出来ました。


この宮田章司さんは、この江戸売り声の芸を日本で唯一している方だそうです。もう80になろうとするのに、声はとても張りがあってよく通る、艶のある声でした。とても興味深かったです。


家に帰って、昔、学生時代に買った江戸時代の物売り図絵の本を探し出したくらいです。また、これについては書いてみたいです。



そして第二部の喜劇ですが、「新春・浅草・屋形船」と題し、浅草の老舗と新興の屋形船の船宿の女将同士の対立と和解(そんな大げさなものではありませんがw)を描いた人情ものです。


最初にスライドで、浅草の屋形船などについて解説があります。


そして、浅草の駒形堂前の売店で、今年のカレンダーや高島易断の運勢暦を、大和田敦さんとしのはら実加さんが売っているシーンから芝居が始まります。



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そこにいつものように、おののこみちさんが都はるみの歌を歌いながら登場。


さらに池田彰吾さんが、毎度おなじみの寅さんのいでたちで登場し、全国の都道府県それぞれの日本一を紹介。



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そして、今回の屋形船の船宿「大上屋」の女将永野美雪さんと息子の猪馬ぽん太さんが駒形堂に参拝。猪馬さんは、今回も通してアヤシクアブナイ男の役でした。


それから、恒例の監督コント。大上こうじさん演じる「世界の黒沢」監督と関遊六さんの助監督、おおい桜井さんと合田ケイ子さん、根本貫一さんらご出演。泉鏡花の婦系図「湯島の白梅」の新派劇。早瀬主税が学問の師匠に言い含められ、学問への志を貫くため愛人お蔦に湯島天神で別れを切り出すシーンです。本来は聞くも涙、語るも涙のお話の筈なのですが、シツコイくらいのギャグ満載でなかなか本題に進みませんww


そうそう、合田さんが投げるレモンを関遊六さんが口に咥えたフォークで見事キャッチした写真を載せておくかなw


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この日は1回で成功!ww しかし、大雪の日には、三回とも失敗だったw、これ、かなり難易度高そう。



そして、本筋のストーリーに戻り、真木淳さん演じる「妙に色っぽいw老婆姿の仲居頭」と、おののこみちさん演じるもう一つの屋形船船宿の女将が登場。そこに、こみちさんの息子役で、再び池田彰吾さんが海パン姿で登場。初夢で枕元に立った聖観音様が、私のはらから(兄弟)が駒形堂のそばの隅田川底に沈んでいるから救い出して欲しい、というお告げがあったとのこと。


そこで、寒中、川に潜り、金色の聖観音を見つけ出した、という展開。これは、浅草寺の由来で、推古紀の628年に、今の隅田川で漁をしていた浜成・竹成兄弟の網にかかった金色の仏像があり、それを浅草寺の本尊としているということに絡めています。寸法も浅草寺の一寸八分と全く同じww



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そこに、めだちけん一さんが、最近再登場の某政治家らしき風体で舞台に。


この浅草21世紀の喜劇では、かならず政治風刺をどこかに絡めてきます。このところ政治が笑うに笑えない状態で、なかなかギャグにして済むような事態ではないような体たらくだったため、正直言って劇場内もどっと湧くという感じではないのですが、それでも懲りずに入れてきますww



そして、一度幕が閉まり、幕前で合田ケイ子さん、池田彰吾さん、大和田敦さん、永野美雪さん、しのはら実加さんによるアラジンの「Never Had A Friend Like Me」のロック風ダンス。永野さんの振付けなのかな。


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ごめんなさい。大和田さんが写真に入っていないww


あと、特に紹介されなかったけど大和田さんと永野さんはご夫婦のようです。


そして、幕が開き、船宿「大上屋」の店内。



興味深かったのは、船頭の大将である大上さんから「屋形船の船宿を営む上での三つの心得」が若い者たちに伝えられます。この春、桜の時期にだい。も屋形船に乗る予定なので、その時の参考として忘れないようにここに書いておこうww


①屋形船の料理、特に天ぷらの美味しさ

②船の設備。とくに横揺れなどないように。

③船頭の客との会話やあしらい方。


老舗を保ち、存続させていくには、いろいろ苦労があるのでしょうが、特に心がけておかないといけないポイントもあるのですね。メモメモw


そして、関遊六さんの獅子舞。やはり正月公演らしくていいですね。


そして、桜井さんと根本さん演じる田舎のお客さんが船宿へ。そして、合田さん演じる戦場カメラマンと大和田さんによる某国営放送クルーが、大上屋をドキュメンタリーとして取扱いたいと、収録が開始される。これって、たしか11月の公演と全く同じ設定ww


そして、めだちけん一さんが「なんでも鑑定団」のあの鑑定士wとして登場。しのはら実加さん演じる大上家の娘さゆりにお年玉を。大上夫妻へもお年玉を配る。 


おとしだま、で思い出したけど、今回、めだちさん鼻下のヒゲよく落として笑いを取っていました。めだちさんは先月公演でもヒゲを頻繁に落としていたな。さらに、今公演の某政治家の演説でもヒゲしていたし、めだちさんはヒゲキャラだったのかw 


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そこに、女将同士が角突き合わせている、ライバルの船宿「おの屋」が年初の挨拶のため登場。今回、おののこみちさんは息子である若旦那の池田彰吾さんと、仲居頭の真木さんを引き連れて登場。船宿の組合の顔役である大上さんへの年初の挨拶をするため。


またまた恒例の、大上さんと真木さん演じる妙に色っぽい老婆wとの衝撃の過去の関係が明らかになり、そのことで大上さんと永野さんの夫婦喧嘩、そこからの睦み合いがありwと、いつもの展開です。


しかし、若旦那が大上さんに、聖観音像を発見したことを伝えた後、さらに大上さんの娘のさゆりと恋仲であることを告白し、一緒になりたいとお願いする。突然の話に駄目出しをする大上さん。それに対し、発見した聖観音像を結納の品として出しても、と懇願する若旦那。尊いご仏体を結納品とするのは不謹慎だと、さらに断る大上さん。


もつれそうな状況に、めだちさん演じる某鑑定士がうまくとりなして、話はまとまり、大団円へ。(スイマセン。ここにきて、急に話を端折りましたw)



再び降りた幕前で、おののこまちさんが森昌子さんの歌を唄う。ほんと上手。


そして幕が再び開き、毎度恒例の雷門をバックに、浅草パラダイスの歌と皆の踊りでエンディング。なんだかほろりと来ます。



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ここまで文を書いておきながら、喜劇の筋やギャグをブログに書きつける行為が粋ではないような気がしてきましたがw、ここまで書いてしまったのでこのままの勢いで最後まで突き進むこととしますww


だい。の力不足のため、たいへん拙く、うまく皆さんに伝わらない説明となってしまいましたが、実際はもっと面白いので、もし興味をお持ちになったり、直にこの喜劇を目にしてみたい、という方はぜひ来月以降の公演へ。


先月の公演に連れてきた友人もはまってしまい、今月の公演にも来ています。



photo:02



台本 京田勝馬 演出 春田源生 音響 塩入努


出演  

大上こうじ(フリーパー)
めだちけん一(フリーパー)
真木淳

三木ひろし    ☆

市峰千太郎   ☆

三遊亭絵馬   ☆

大和田敦

永野美雪

ケンコウ奉仕  ☆

猪馬ぽん太
関遊六
おののこみち

池田彰吾
合田ケイ子
根本貫一
しのはら実加
ザビエル桜井


(☆は演芸など第一部の方)


1月8日(火)~1月15日(火)