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昨夜に続き、日本映画チャンネルで録画したものを家で観る。会社帰りにいろいろ飲み会の誘いもあったが、やや憂鬱な気分の時は早く家に帰って映画でも観て、一刻も早く寝てたくさん睡眠を取るのが一番。


さて、この「浅草の肌」は1950年公開だから、もう60年以上も昔の作品なのですね。戦後間もない浅草六区の雰囲気や当時の浅草の風俗がしのばれます。


作品紹介(goo映画より)

○作品のアウトライン
製作は小川吉衞。原作は濱田浩(東京日日新聞連載)。脚本は「痴人の愛(1949)」「蛇姫道中」の監督の木村恵吾と、「帰国」の岸松雄の協同で、監督は木村恵吾。カメラは「静かなる決闘」の相坂操一担当。主演は「私は狙われている(1950)」の二本柳寛と、「痴人の愛(1949)」「蛇姫道中」「遙かなり母の国」の京マチ子で、それに「一匹狼(1950)」「暴力の街」「氷中の美女」の植村謙二郎、「暴力の街」「白昼の決闘」の清水将夫、「女の四季」の藤原釜足、「魔の黄金」の伊沢一郎、「一匹狼(1950)」の菅井一郎、「笑う地球に朝が來る」の若杉須美子らが出演する。


○あらすじ(ネタばれあり)
浅草は六区の裏通り、レヴュー劇場美銀座では今宵も賑やかなリズムで幕を開けたが、相変わらず入りは悪かった。プロデューサー兼演出家兼文芸部長の香取は厳格な人間であった。ある日、この美銀座に若草クルミが現れた。見事な一輪の狂い咲きの女。男という男は知りつくしたという女。そのクルミが、香取に魅せられたのだ。香取は熟れきったクルミの肉体にも一向反応を示さない。その態度が、クルミの気持ちをかえってたかぶらせたわけである。クルミは、執拗に、香取につきまとっていた。だが相変わらず香取はクルミに対して少しも反応を示さない。その頃、不振を挽回するために、裸ショーに転向するよう支配人からいわれた香取はくさってしまった。そんな時でも相変わらずクルミは香取にまとわりついた。香取は激怒してクルミを叱った。だがクルミは動じないで、かじりつくのだ。ひきはなしても、投げ飛ばしても、クルミは「女豹」の様にとびついた。やっとクルミを追い返したあと、香取ははっと一つのアイデアを思いついた。あの豹のようなクルミを、そのまま舞台に再現しよう、と。香取の意図は当たって、「女豹」と題するクルミの踊りは、浅草の人気をさらい、久しぶりに踊子たちにも明るい光がさした。さて一方飲み屋「おけい」の女主人お圭は、かつて香取と交渉があり、その妹は隼という男にもてあそばれ、お圭もまた隼のえじきになった。その男が現れて、十万円を強迫し、お圭は苦しんだ。悪党隼は、近頃売り出した美銀座の女豹クルミの肉体にひかれて、ついつい手を出したのが運のつきで、香取に見事なパンチをくらったあげく、証拠品を残したので足がついた。脱獄囚隼。非常警戒網が浅草に張られた。隼は金欲しさに「おけい」に寄ったが、そこにも手が廻っていた。いよいよ身の危機を感じた隼は、道づれに、香取を殺そうと、美銀座に忍びこんだ。このとき香取の危険を知ったクルミは必死に隼とからみあい、一瞬のはずみで逆に隼を射殺してしまった。暗然たるクルミを、香取はそっと抱きかかえた。舞台ではクルミのファンが、呼んでいる。香取は叫んだ。「クルミ、舞台だ」「えっ」と笑顔をつくってクルミは颯爽と舞台へ出る。嵐のような拍手のうちに浅草の人々に見守られながら、クルミは今の瞬間も踊り狂っている。


○出演

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 二本柳寛

 藤間紫

 京マチ子

 利根はる恵

 若杉須美子

 由利恵子

 海原幸子

 宮原恭子

 植村謙二郎

 清水将夫

 藤原釜足




以前、このブログにも書いた、永井荷風の「踊子」にも似た雰囲気。京マチ子は昨夜の「華麗なる一族」でも、万俵家の執事でかつ大介の愛人である高須相子役で、強い意志と胆力を持った女性をうまく演じていた。

そうそう、京マチ子はOSK歌劇団の出身。以前、僕がOSKの舞台を観た時に、ブログにも書きましたね。この映画公開の前年に大映に移り、以降看板女優として大活躍します。

ちなみに、この「浅草の肌」と同じ年に公開された黒澤明監督の「羅生門」に京マチ子は出演し、この作が翌年、ヴェネチア国際映画祭のグランプリを取ったことから、一躍国際的にも脚光を浴びます。

あと、若草クルミ役の京マチ子と対象的なのが、飲み屋の女将お圭役を演じる藤間紫。この健気で清楚な感じも、京マチ子と同じくらい輝いており魅力的です。


また、この映画の主題歌「浅草の肌」の歌詞も惹かれます。1番2番もいいけど、ここでは3番を紹介します。

タンポポ色した お月さん
来て見てお呉れ 絵看板
冬が過ぎれば 六区にも
春がくるくる 二人にも
浅草の肌 春の肌



映画全体として、外からいろんなものが入り込んで来る浅草は、雑然としていて猥雑ながらも、変な虚飾も取り払い「裸」で人たちが生きているのが、堪らなく魅力的に感じました。



しばらく日本映画にはまりますw



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