熊本・宮崎ツーリングダイジェスト 二日目(2023/10/15)。 | 水辺の土木遺産

水辺の土木遺産

水辺の土木遺産、冠水橋や流れ橋、石橋やレンガ樋門など、自転車で見て回りながら、ついでに狛犬なんかも追いかけています。

二日目の朝も、引き続き上井出沿いの石橋散策からのスタートでした。

 

 

小ぶりなものですが、

そこかしこに石のアーチ橋が架かっています。

 

 

さらにここなんか面白いですよ。

橋の下に石が見えているのがわかるでしょうか?

奥に見えるのは石のアーチ、その手前にあるのは石の方丈桁、

石の方丈桁が江戸期に架けられて、明治期辺りにアーチで拡幅、

現在はさらにコンクリートで拡幅されて、

橋の上は大型車がすれ違えそうな幅員があるという……。

 

ところで、

九州の石橋というと、どんなイメージでしょうか?

個人的には江戸時代から石橋をかけていたお国柄、と、そんなイメージでしたが、

熊本や長崎に江戸時代から見事な石橋が架けられていたことは間違いではありませんが、

熊本を走るつもりで調べてみると、熊本の主要な橋の歴史の上ではそうではないようで、

江戸期は流されたら流されっぱなしの板橋(係留されていない流れ橋に近いもの)が一般的で、

明治期に石橋が大量に作られて、その後に潜水橋が主流になった時期を挟んで、

ようやく近代の鉄筋コンクリートや鋼製の抜水橋の時代が来るという。

 

ここで注目したいのは、

板橋という簡易な橋が主流だった時代と、

石アーチという抜水橋の後に潜水橋の時代があったという辺り。

 

今回はアシスト無し電動アシストロードで予定が崩れてしまいましたが、

もう少し詳しい熊本の橋の歴史を勉強してから、改めて再訪したいものです。

というか、

今回とほとんど同じルートでも、新しい橋をめぐりながら楽しめそうなほど、

熊本ベースのGoogleのマイマップで作ったツーリング地図がヤバいです。

熊本、本当にすごいところです。

 

 

とはいえ、です。

こんなのも橋を訪ねるツーリングではおなじみですね。

石アーチなんですが、橋の上まで雑草に覆われて、侵入することさえあきらめざるを得ず、

上流側(手前)も下流側(奥)も橋の構造部材が石かコンクリートかさえわからないほど。

こうした橋も珍しくないので、次はもっと寒い時期か春先ですかねぇ。

……うん、休みが取れないから、次回も夏休みになりそうな気がします(^^;)

 

 

こちらは雰囲気が良かったので、何となく立ち寄ってみた神社の楼門ですが、

 

 

狛犬さんも、随身様も個性的。

 

 

橋の移築保存も個性的。

失敗したのが、ここ、360°カメラを自転車に忘れてしまったんですよね。

ですが、サッカー少年たちが走り回り、親御さんたちが熱心に感染するスポーツ公園を徒歩で抜けた先。

戻る元気が起こらず、普通のデジカメでしか撮影しなかったのが、

今更ながらに悔やまれます。

 

そのまま熊本市内に移動しまして、

 

 

川や水辺を中心に見るつもりで訪ねると、

火の国熊本は、実際のところは水の国、

町中を放水路が貫いていたり、

 

 

町中で不通に湧き水が涌いていたりして、水辺の風景が興味深い。

ちなみにここ、帰宅後に気づきましたが、ブラタモリの熊本回でも紹介されていた場所ですね。

出発前にはどこなのか探したけれど見つからなかったのが、

何となく面白い景色に立ち止まって、しっかり現地で見つけられていたようです。

そしてまた、

 

 

時間軸では随分後になりますが、こちらはこの日訪ねた市街地に囲まれた農地を流れる小川。

写真では見えませんが、左手には住宅地が広がり、奥には田んぼや葦原、右手には大規模なショッピングセンター、

なのにここは遊水地で、奥に見える後付けガードレールの橋は、しっかりと潜水橋だったりします。

 

面白い水辺と言えば、

 

こちらは明治十年に架けられた明十橋。

分かりやすいなぁ……。

素晴らしい橋ですが、良く見える場所が橋の袂にはありません。

 

せめて随分離れた隣の橋から、

ズームで横面を撮影しようと回り込んでみると……。

 

 

隣の橋には、中段に降りる階段が普通に備え付けられていたりして。

 

 

こちらは変わりまして明治八年竣工の明八橋ですが、

明十橋も明八橋も、ここまで寄って楽しめたりします。

 

……柵がないし、川の流れは速くはないけれど水深はかなりのもの、

雨の日はお勧めできませんが(^^;)

 

 

コロナ禍で一気に増えた変わり種自販機なんてのも面白いですよね。

うな丼自販機と、おさかな自販機。

それに、

 

 

赤と黄色で覇権を争う豚足自販機!

知らなかったんですが、熊本は豚足も名物だそうです。

 

観光地はパスしてしまうことが多いのですが、

旅程がすっかり遅れてしまったついでです。

 

 

熊本城も見学してきました。

やはり見事なものですが、店主の内部は鉄筋コンクリートなので、

中は修学旅行の高校生に前後を挟まれてまで見るほどのものではありませんでした(^^;)

 

それでも、

 

 

今しか見られない景色は、

 

 

今、見ておくだけの価値のある光景でした。

こちらは再建中の宇土櫓。

 

 

そしてこちらは見学用ルートの仮設橋ですが、

仮設橋ってクオリティではありません。

 

本来は見られない高さ、見られない角度からの見学も、今だけの魅力です。

 

 

こちら、市内でみかけた石焼き芋。

この煙突……車検、通るんでしょうか?(^^;)

 

 

ツーリング名物、

夜に一人では見たくない首だけマネキンの案山子の中、

日暮れぎりぎりに加勢川へ。

 

 

護岸の石垣が美しく、

 

 

船着き場の雁木も綺麗に修繕されて、保存されています。

そのわきには、

 

 

明治時代も水運が盛んだったことを物語る、

レンガアーチの公衆トイレ跡。

 

 

この辺りはもう日もとっぷり暮れたころに撮影していますが、

それなりに見られる明るさで写るから、今のデジカメはありがたいですね。

 

ところでご存じでしょうか?

私が住んでいる千葉県の北西部と熊本市では、日の入り時間が40分も違うんです!

そう、西にある熊本の方が40分も遅いわけで、日の短い秋のツーリングには、

九州は最適ですね。

 

この日は最後に、

 

 

日暮れ後でも楽しめる、石の仁王像を眺めるのを最後にして、

あとは真っ暗な中を宇土まで走ってホテルにチェックイン。