千葉県銚子市 銚子の道切り2。 | 水辺の土木遺産

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水辺の土木遺産、冠水橋や流れ橋、石橋やレンガ樋門など、自転車で見て回りながら、ついでに狛犬なんかも追いかけています。

今年の四月末、久しぶりに屛風ヶ浦を走るために銚子を訪ねましたが、

午前中で目的を果たした後は、屛風ヶ浦沿いに飯岡の刑部岬を目指しますが、

途中で銚子の道きりを尋ねました。

 

前回の「北」の辻を切る道切りに続いては、

集落の「東」の辻を切る道切りになります。

 

場所はこちら。

 

 

「北」の道きりから300mほど南に向かい、

神社の入り口の鳥居を「東」に曲がって50mほど先になります。

 

 

「北」の道切りは、春一番で殆ど全てのものが吹き飛ばされたと

地元の方から伺いましたが、こちらは無事だったようですね。

 

 

左端に下がるものは「急急徐律令」(急は口辺付き)

 

 

裏面には梵字があります。

「急急如律令」(3文字目は異なりますが)は陰陽道でお馴染みですが、

修験道や密教でも使われていたはずですから、陰陽道系ではなく、

修験道系か密教系の位置づけなんでしょうか?

 

「急急徐律令」の線も、九字ではなく3本3本と3本3本でしたし。

 

 

その他にはタコに箒。

箒は災いを履き清める、タコは災いを吸い取るといった類の意味らしいです。

 

 

下げられた棒切れは不明ですが、

 

 

サイコロは博打関連の意味合いのはずです。

 

内房(千葉の東京湾岸)系では、

酒樽(酒飲み)やサイコロ(ばくち打ち)ばかりで、

腕や足の長さがおかしな人型を並べて

「この集落にはろくな人間が居ないから、災いもこんな録でもないとこではなく、

 もっと良い集落にいってお仕事してくださいね」

という、なんとも自虐的なものでした。

 

ですがこちらの銚子の道切りの場合には、

他に並ぶものがご立派なだけに、このサイコロの解釈が良く分かりません。

 

 

ともあれ、こちらはしっかり残っていて良かったです。

さて、「西」が存在しないのか? 探しつつ、

既知の「南」に向かいます。