栃木県那須塩原市 折戸発電所。 | 水辺の土木遺産

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今年6月に2週連続で訪ねた那須野ヶ原散策一回目、

蛇尾川伏せ越しの現状確認を終えた後は、ずいぶん迷いましたが、

メインターゲットである新木ノ俣用水を目指して移動しました。

まぁ、道中の4/5は日暮れ後の移動になってしまい、

最終的には夜中の林道でパンク、リタイアから2回目が必要になった訳で、

ここでの判断が明らかに間違えていたわけですが(^-^;

 

そうは言っても、この日にこのまま進む決断を一度はしたことで、

見つけられたものもあります。

 

それがこちら。

 

 

フェンス越しでスロープ下端から15mくらい離れた位置からしか見られませんが、

もともとこの場所を流れていた用水路の高低差を一転に集約することで、

有効落差3.97mを確保した小型の水力発電所です。

 

発電用のらせん水車の右にある階段を上った先には

1文字ずつに分けて折戸発電所、

その下には2022年3月竣工のステンレスプレートが付いています。

本当に竣工間もなくですね。

 

そりゃ、前回も同じルートで移動したはずなのに、

10年前には無かったわけですね。

 

余談ながら、この辺りを前回訪ねた頃というのはマイクロ水力発電の走りの頃で、

用水路なので水にはゴミも浮いていないし、水質も良好、

傾斜地の那須野ヶ原は発電向きだと、

そんなことを考えながら走り回っていたものです。

 

 

こちらは発電所の諸元が記載された説明看板。

 

 

そしてこちらは発電所の上流部ですが、

見ての通り、扇状地は山裾の傾斜地ですから、そこかしこに水路が階段状に落差があります。

 

折戸発電所のように落差をまとめたり、

ここ程度でも、今時のマイクロ発電所用の発電水車を設置すれば、

水路を引かないと水が地下にもぐってしまうために縦横に敷かれた用水路、

その総量で見ると、発電機を設置できる場所は無数にありそうですし、

昼夜の安定した発電量を見込めることを考えれば、かなり有用に思えます。

 

調べてみると、ここ折戸発電所は9基目ということになっていますから、

ここ以外にも設置されているし、これからも増えていくことでしょう。

また10年くらい経ったら、那須野ヶ原を走ってみたいと思います。

 

さて、この先で蛇尾川(さびがわ)を左岸の方へと渡るわけですが、

 

 

橋の上から眺める蛇尾川はこの通り。

実際にはもう少し上流のほうが水量が豊かという変わった川ではありますが、

 

水が全て地下にもぐってしまい、

地表が水無川だった洗い越しからは、川沿いにわずか3㎞足らずの距離にあります。

水無川、香川県辺りにも大量にありますが、あちらはハッキリと全てもぐるポイントが少なくて、

ちょろちょろとは流れている区間が多いんですよね。

 

ハッキリと水が短い距離で全部潜ってしまう那須野ヶ原の水無川、

那須近辺にお出かけの際には、是非とも洗い越しでも、通過してみてください。

 

おまけで、

この後はGoogle地図で見ると木ノ俣渓谷と木ノ俣園地なんて書かれた方面に向かいましたが、

ロックシェッドに覆われた下り坂の上からのアクセスが木ノ俣用水への正しいアクセス路。

なのですが、久しぶりなのに地図も確認せずに現地に乗り込んで、

ええっと……坂の下だっけ?

 

坂の下から木ノ俣川沿いに走る林道を移動しようとすると、

前面水浸しのぬかるんだ林道を20m程度で、

 

 

この通り。

事前準備もなく、計画性もないというのはダメですね。

 

この後で下ってきた坂道を登り、林道に入って200m程度でパンク。

深夜のピストン林道(どこにも通じてないから行ったら戻るしかない林道)で、

誰も来ないだろうと、道路をふさぐようにパンク修理をしていたら、

まさかの自動車がやってきて、慌てて端に除けたりと、

無駄に七転八倒の自転車行となりましたが、それでも久しぶりの那須野ヶ原、

相変わらずの面白い場所でした。

 

2回目の新木ノ俣用水散策行は1回目の前に紹介済みなので、

那須野ヶ原はこれにて終了となります。

 

お付き合い、ありがとうございましたm(__)m