高知県南国市 掩体壕トンネル(前浜掩体群7号掩体)。 | 水辺の土木遺産

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初めての高知で、一番最初に目指した物件は、

高知空港を出たら、空港滑走路中央直下を通過する新秋田川と並走する市道で空港南にぬけて、

空港南側に回り込んですぐの辺り一面の田んぼの中にあるのが本日の物件で掩体壕。

 

掩体壕というのは、第二次大戦中に航空戦力を格納し、

ちょっとした縦断や爆風から、航空機を守ることを目的にした格納庫で、

場合によっては上に少し土を盛ってやると、雑草で辺りの丘と区別がつかなくなります。

 

ちなみに、私の地元千葉は掩体壕はかなりの数が残っている地域だし、

高知の前年訪ねた宮崎も、やはり宮崎空港周辺には掩体壕が見られました。

とはいえ、この状況は他では見たことがない!

 

 

正しい物件名としては『前浜掩体群7号掩体』らしいのですが、

高知クオリティなこの変態物件、あえてこう呼ばせてもらいましょう。

『掩体壕トンネル』と。

 

 

場所はこちら。

空港南側、大湊小のすぐ北側です。

リンク先のマピオンの地図では、拡大するときっちりトンネル表示です(笑)。

 

規模的には戦闘機を格納する小型のものですね。

私は空港側(北側)から接近したため、先ほどの写真は掩体壕の後ろ側から。

ちなみに7号というだけあって、周囲にはほかにも6基もの掩体壕が点在し、

中には戸建て住宅が2~3軒収まりそうな大きな掩体壕も含まれます。

 

 

中に入るとこんな具合。

道路の外に出ないように、簡単な柵がしてあります。

 

 

こちらは振り返り。

掩体壕トンネルと用水路のコラボが素敵です。

 

 

天井には建造時に木材でもはまっていたものか、四角い穴が開いていたりしますが、

一般的な掩体壕で良く見られるような、建造時の板の跡とかは残っていませんね。

 

 

何だろうなぁ……この模様は……ん?

 

 

ここだけは分かりますよ。

ちょっとよれた畳模様、ゴザですね。

いや、千葉県茂原市にも畳を当てて造られた掩体壕ならあるんですが、

……そうすると、ゴザの周りもきっと布とか布団とかじゃないでしょうか?

 

普通ならばそうした、板やら畳やらで型枠を造り、そこにセメントを流し込むわけですが、

ここでは物不足の中、ゴザやら布やらを掛けるようなもの、

例えば土を盛るとかして、ゴザを被せて型枠にしたのかもしれません。

 

 

とはいえ、良いなぁ。

 

 

通過しての振り返り。

さて、この規模なら、やらないわけにはいかないでしょう。

 

 

登頂完了。

上の写真は南を向いて撮影したもので、すぐ向こうにあるのは大湊小。

つまり、このトンネルは通学路!

 

 

余談ながら、学校には恐らくは津波への備えとして、校門や塀はなくて、

外付けの階段で屋上に登ることができる、津波避難所仕様です。

 

 

後ろを振り向くと、尾翼格納部分の向こうに田んぼが広がり、

 

 

横を向けば、あちらにも2基の掩体壕。

とても面白い物件で、ここから始まる高知ツーリングが楽しみになるような面白物件でした。

本来であれば、このてっぺんからの風景なんかも360度カメラで撮影していたのですが

……とはいえ、

道路で撮影したものは、セルフタイマーで壁の外に隠れることができたので、

そうして撮影した分が3枚だけ、スマホのなかに残っていました。

 

Googleは投稿した写真がしばらくすると消えちゃったりするため、

(主に同じGPS座標だと、最初の1枚残して勝手に削除される)

数日たって残っていたら、そちらを追加したいと思います。