橋好き的な360度カメラのTHETAの使い方。 | 水辺の土木遺産

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水辺の土木遺産、冠水橋や流れ橋、石橋やレンガ樋門など、自転車で見て回りながら、ついでに狛犬なんかも追いかけています。

昨年末に購入してから、引き続き、THETAをツーリング先で使っていますが、
最近の利用法など。

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基本的に、本体と、一脚と、ケース、3点セットで利用しています。
360度カメラですから、手持ち撮影では自分が映り込むので、一脚は必須。
THETAはレンズが凸型に本体から前後両面に突き出した構造ですから、ケースに入れないと持ち運び不可。
首から下げたケースに入れて持ち運び、使う時だけケースから取り出して、一脚につなげて利用。

なお、一脚は岐阜・滋賀までに持ち歩いていたカーボン製から、
安物で耐荷重も精度も悪いけど、短く縮められて、取り回しの良い五千円程度のアルミ製に変更しています。
頻繁に使うつもりなら、4段ポールだと長すぎて、移動中に邪魔過ぎました。

話を戻して、Googleのストリートビューの撮影車は、基本的に冠水橋形式の、欄干のない橋は渡らないらしく、
冠水橋は基本的にカバーされておりません。

なので、基本的な利用は、冠水橋の撮影と、ストリートビューへのアップで、
自分でも旅と橋の記録に利用しつつ、橋の好きな方が見られるように共有する形ですが、
基本、自分も人も写すつもりはないし、インスタ映えを狙うつもりもないので、本当に記録用。
ともあれ、そんなTHETAの私なりの利用用途など。

というわけで、THETAでまともに写真を撮るつもりの方には必要のない話になるので、
以下、橋好きなどの、特殊な方向けです。


さて、
橋の散策では、袂にスペースがなくて、
自分の歩いている橋はどんな形式の橋なのか? それすら分からず、
欄干と親柱だけを眺めて済ませるしかない、そんな場面もあると思います。

ドローンでもあればどうとでもなるのでしょうが、
一脚+THETAでも、真下や真横に突き出せば、それなりの偵察が可能です。

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こちらは先日訪ねた太平橋。
うん、分かってた、H鋼桁の良くある狭い橋。
(自分で見るための記録用に適当に撮影した所為で、一脚のストラップが盛大に映り込んでいるのはご容赦を)
……のはずが、

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という、撮影した時点では、写りが暗くて、撮った本人も気づいていない驚くべき事実。

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お次はこちらの瑞巌寺太鼓橋。
……太鼓橋って、単に石を積んだ石垣みたいに見えるでしょう?
ですがこの場面で、奥に見える赤い棒の脇に一脚を突き出してみると……。

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うん、ジャックアーチに近い扁平な石アーチ!

そのアーチの上に、太鼓というよりは馬の鞍か岡山の閑谷学校の石垣のようなものが積み上げられているわけで、ある意味では太鼓橋の名前に嘘偽りがないことが分かります。

このほかに今回の旅では、

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こちらの潜水橋を訪ねる際に、かなり活躍してくれました。

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例えばこちら。
下に見えているのが私の一脚ですが、
何をしている場面かというと、目の前に2m少々の灌木と笹の藪に行く手を遮られて、
撤退するか、もう少し進むかを迷っていた場面で、上に捧げ持った一脚からTHETA撮影。
じつは行く手を遮る藪の厚みが、ほんのわずかだと見て取れるのではないでしょうか?

それで突き進んだのは、実際には失敗でしたが、
これだけ藪の密生した場面では、ドローンだって離陸できないのでは?

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そうしてこちらは、先ほどの写真からはせいぜい50mほど先、
ここまで歩くのに汗と朝露に濡れて30分以上もかかりましたが、
ここに出る最後の場面でもTHETAがなければ危険なところでした。

ここで利用したときには、突き出したTHETAの画像をスマホで見ただけで、
撮影して残していないのですが、橋の向こうは笹薮です。

しかも、私が立っていたのは橋から2m近く高い場所から、笹薮越しに橋が見えました。
足元は取り付け道路上に、恐らく50cmは堆積している土砂、そこに生えた笹薮が流木で押し倒された上に流木が堆積、私にはこの橋の右か左に取り付け道路が伸びている想定でTHETAを突き出したのですが、見えてきたのは道がない! という、驚きの状況。

THETA無しであれば、写真の向かって右手の橋の付け根に強行突破しようとして、川の中にドボンしていたところでしたが、目の前の笹薮を強行突破するしかないという事実を確認できたおかげで九死に一生。

なお、帰りはどうしたのか? というと、
実は対岸からであれば、それほど苦労せずに現役道路に出られたというオチはつくので、
結果論で言えば、最初の2mの藪でUターンしていた方が幸せだったという事実はありますが、
それでも、困ったときにほんの3m先が見られるというのは、廃道系にさえ飛び込む場合、
単なる記録用途を超えた使い方ができるというのは、とても助かります。

以上、少しだけTHETAの最近の状況報告でした。
使える場面を紹介したところで、次回も脱線で、THETAを使うときの残念な場面など。