さて、写真の通り、コンクリートパイル橋脚がずいぶんと密に配置された以外では地味なこの橋ですが、
ちょうど現在の水面の端から端の上はグリーンに塗装されたH鋼桁。
なのですが、
一般的に言うところの川岸(国交省的には堤から堤が川岸ですが、普通の人は川の水面の端を指すはず)の上から橋台までの間だけは、
この通りのガチな木桁。
橋台の上もこの通り。
桁材は綺麗に製材されてこそいないものの、あの狭い橋にはオーバースペックと思える太さで5本が並びます。
木橋のつもりでいなかっただけに、想定外のことに感激です。
が、やぶ蚊の波状攻撃に耐えかねて自転車に戻り、増水時の水没区間を通過して、
こちらが振り返りの取り付け道路の様子。
来た方に戻り、最後にもう一度振り返りを。
土手の上からでは距離があって気づくのが難しかったのですが、
一通り眺め終えてから、ゆっくりこうして眺めてみると、やはりというべきでしょうか?
流木除けと現在の橋脚の位置とは、斧研橋の場合と同じようにずれていることが分かります。
また、歯抜けになっていたり、失われている流木除けは、川の左岸寄りが欠落していることから、鋼製の流木除けさえ破壊するほどの流木の衝突か、あるいは大量の流木の蓄積が左岸寄りに発生して、それが原因で川面の上の桁も含めて大規模に流失するか、破損するような事態が発生。
結果として、今のような形になったのではないかと、勝手に想像します。
こちらが右岸寄り、
川岸部分は分かりづらいけれどコンクリートパイル橋脚で無塗装のコンクリート地肌むき出し。
そうしてこちらが左岸寄り。
こうして見てみると、H鋼桁部分の橋脚は垂直に立っているのに対して、木造桁部分のコンクリートパイル橋脚は中央のみ垂直で、両端は人間が肩幅に足を開いて立つような具合に、上流側と下流側に少し開いた構造です。
恥ずかしいことに今気づきましたが、
最初に紹介した流木除けの脇に見えたコンクリートパイル、旧橋脚だった訳ですね。
多分この平成9年の洪水でゴミが橋脚に詰まって落橋、かな?
とも思ったけれど、この時点ではすでに現在の金属桁部分は金属桁で、
その部分のコンクリートパイルは垂直で黒塗りの現在のものに変更されているようです。
つまり、こうした事態は今までに何度も起こっていて、その度に流木が詰まりやすいのも左岸側なのでしょう。
(こちらのPDFの27/29ページ参照。)
なお、PDFの落橋写真の撮影か所は、ちょうど1枚目の写真と同じあたりと思われます。
おろろんさんも、構造ではなく政治的な寿命を心配していた通り、この資料の中では、>高水敷が広く、樹木が多い。また大平橋が洪水を. 流すのに支障となっている。
とされており、撤去、もしくは架け替えは、治水の問題と絡めて現在も議論されている可能性が高そうに思われます。興味を持たれた方はぜひ、今のうちに行ってみてください。