〇殺人罪(199)
①「人を」
→胎児は含まない
②実行行為
人の死亡結果発生の現実的危険性を有する行為
③「殺した」(結果)
④因果関係
⑤故意(殺意)
〇同意殺人罪(202)
①「人を」
②「その嘱託をを得て殺した」
・「嘱託」:被殺害者がその殺害を依頼すること
・「承諾」:被殺害者がその殺害の申し込みに真意に同意すること
〇暴行罪(208)
「暴行」とは、人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいう
〇傷害致死罪(204、205)
① 「人の身体を傷害」
→「傷害」=生理的機能を害すること
② 「死亡」
③ 因果関係
④ 傷害についての故意(加重結果については不要)
・暴行の故意があればよい
・傷害とその結果である傷害致死は一連の経過として生じる同質の犯罪である。
〇同時傷害の特例(207)
〇業務上過失致死(傷)罪(211前段)
①「業務」
社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務で、人の生命・身体に危害を加えるおそれがあるもの
②「必要な注意を怠り」
=過失
③「よって人を死傷させた」
〇単純遺棄(致傷)罪(217,219)
①「老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とするもの」
・「扶助を必要とする者」とは、他人の保護によらなければみずから日常生活を営む動作をすることが不可能もしくは著しく困難なため、自己の生命に生ずる危険を回避できない者
②「遺棄」
「遺棄」とは、保護を要するものを保護のないその生命・身体を危険にさらすこと(移置)
③「よって、人を死傷させた」
〇保護責任者遺棄(致傷)罪(218,219)
①「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を」
②「保護する責任のある者」
→保護責任の有無は、要扶助者の生命・身体に対する排他的支配、先行行為等の有無を総合的に考慮して判断する。
③「遺棄」
・移置:保護を要するものを保護のない状態に置くことによりその生命・身体を危険にさらすこと
・置き去り:行為者が要扶助者を危険な場所に放置し、その場から離れること
④「よって、人を死傷させた」
⑤故意
条文上の発生を要求していないから、生命・身体に対する抽象的な危険を認識していればよい
〇逮捕・監禁罪(220前後)
・保護法益:身体の場所的可能的自由
・「逮捕」とは、人の身体を直接拘束して、自由を奪うこと
・「監禁」とは、人を一定の場所から脱走できないようにしてその身体活動の自由を奪うこと
〇脅迫罪(222)
・「脅迫」とは、一般人をして畏怖せしめるに足りる程度の害悪の告知をいう
〇未成年者略取、誘拐罪(224)
・「略取」とは、暴行又は脅迫を用いて、相手方を不法にその保護されている生活環境から離脱させて、自己又は第三者の支配下に移す行為をいう。
・「誘拐」とは、欺罔(虚偽の事実を告知すること)又は誘惑(甘言を用いて判断を誤らせること)を用いて、相手方を不法にその保護されている生活環境から離脱させて、自己又は第三者の支配下に移す行為をいう。
〇営利目的等誘拐罪(225)
①「営利、わいせつ、結婚生命若しくは加害の目的で」
・「営利…の目的」とは、財産上の利益、または第三者に得させる目的
・「わいせつの…目的」とは、被拐取者の性的自由を侵害する目的
・「加害の目的」とは、被拐取者を殺害、傷害、暴行を加える目的
②「人を」
③「略取し、又は誘拐した」
〇強制わいせつ罪(176)
①「13歳以上の者に対し」
②「暴行又は脅迫を用いて」
暴行・脅迫は、被害者の反抗を著しく困難にする程度のものであることを要する
③「わいせつな行為をした」
〇強制性交等罪(177)
「暴行又は脅迫」とは、相手方の反抗を著しく困難にする程度の有形力の行使又は害悪の告知をいう
〇住居(建造物)侵入罪(130条前段)
保護法益:住居に誰を立ち入らせ、誰の滞在を許可するかを決める自由
①「正当な理由がないのに」
②「人の住居若しくは人の看守する、建造物若しくは艦船に」
・「人」:居住者以外の者
・「住居」とは、人の起臥寝食に使用される場所及びこれに付随する囲繞地をいう。
・「建造物」とは、住居・邸宅以外の建物で、これに付随する囲繞地も含む
・「人の看守する」とは、人によって事実上管理支配されていること
(→侵入を防止する人的・物的設備が施されていること)
③「侵入」
「侵入」とは、住居権者(管理権者)の意思に反する立入りをいう
〇名誉棄損罪(230)
①「公然と」とは、不特定又は多数人が認識し得る状態をいう。
②「事実を摘示」とは、人の社会的評価を低下させるに足りる具体的事実を摘示することをいう。
③「人の名誉」とは、行為者以外の自然人や法人等の積極的な社会的評価を意味する。
④「毀損した」とは、本罪が抽象的権犯であることに鑑み、人の名誉を害するに足りる程度の行為がなされることを意味し、実際に害されることまでは要さない。
⑤故意→人の名誉を害する足りる事実を公然と摘示することについての認識・認容で、積極的な毀損の意図までは要さない。
〇230条の2
・法的性質:同条の法的性格は違法性阻却事由であると解すべきである。なぜなら、同条は個人の名誉の保護と表現の自由の調和を図った規定であり、その実質的な判断は違法性レベルでなすべきであるからである。
・ 「公共の利害に関する事実」(同1項)
→公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実の場合は2項により擬制される
・「その目的がもっぱら公益を図ること」(同1項)
→公益を図ることが主たる動機であることをいう
・「真実であることの証明」(同3項)
→主要又は重要な部分についてなされることを要する
※公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、真実性の証明のみでOK(230の2第3項)
・真実性の誤信
故意責任の本質は、行為者の反規範的人格態度に対する道義的非難である。そして、違法性阻却事由の存在を誤信した場合、行為者は規範に直面したとはいえない。そこで、違法性阻却事由の錯誤は故意を阻却すると解すべきである。
もっとも、全ての場合に故意を阻却すると解すると、名誉権を不当に害する結果となる。そこで、名誉権と表現の自由(憲法21条1条)との調和の観点から、真実であると誤信し、その誤信について確実な資料、根拠に照らし相当の理由があるときは、故意が阻却されると解する。
〇侮辱罪(231)
・「侮辱」とは、人に対する侮蔑的価値判断の表示をいう
〇信用棄損罪、偽計業務妨害罪(233前後)
①「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて」
・「虚偽の風説を流布し」とは、客観的真実に対する噂、情報を不特定又は多数人に伝播させること
・「偽計」とは、人を欺罔、誘惑し、あるいは人の錯誤、不知を利用する違法な手段
②「信用」
・「信用」とは、経済的側面における人の評価一般をいう(資力等に限らない)
③「業務」
・「業務」とは、職業その他の社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務
④「妨害」
〇威力業務妨害罪(234)
①「威力を用いて」
・「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を用いること
②「人の業務を妨害した」
〇窃盗罪(235)
①「他人の財物」
・「他人の財物」とは、犯人以外の者が占有する財物をいう。
→占有の事実と占有の意思の両面から判断
・「財物」とは、所有権の対象となるだけでなく、一定の財産的価値を有するものでなければならない。(そのためには、客観的価値のみならず、主観的価値も考慮されるべきである。)
②「窃取」
・「窃取」とは、占有者の意思に反して、財物の占有を自己又は第三者の下に移転させる行為をいう。
③故意
・占有侵害の認識・認容
④不法領得の意思
まず、領得罪の成立には、不法領得の意思が必要である。かかる主観的超過傾向を不要とすれば、不可罰な使用窃盗あるいは毀棄罪(261条)との区別が困難になるからである。そして、その内容としては、①権利者を排除して他人の物を自己の所有物として(権利者排除意思)、②その経済的用法に従い利用・処分する意思(利用処分意思)であると解する。
〇1項強盗罪(236Ⅰ)
①「暴行又は脅迫を用いて」
・「暴行又は脅迫」とは、財物の奪取に向けられた、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使又は害悪の告知
・考慮要素→暴行・脅迫の態様、凶器の有無、犯行時刻、場所、周囲の状況、性別、年齢、体格・体力、人数、被害者の負傷状況等
②「他人の財物」
③「強取した」(因果関係)
・「強取した」とは、暴行又は脅迫により、相手方の反抗を抑圧し、その意思によらずに財物を自己又は第三者の占有に移すこと(暴行・脅迫、反抗抑圧、財物奪取、利益移転との間に因果関係が必要)
④故意
〇2項強盗罪(236Ⅱ)
①「前項の方法」=「暴行又は脅迫」(同条1項)→「財産上…の利益」の獲得に向けられた、相手方の反抗を抑圧する程度の不法な有形力の行使又は害悪の告知をいう。
・「財産上…の利益」は、1項強盗との均衡から、財物の占有移転と同視できる程の具体性・直接性を有する利益でなければならない。
→相続の開始という外形に基づく財産の移転は、奪取行為によるものと評価することはできない。また、被相続人の殺害は、相続欠格事由(民法891条1項)とされているから、財産移転があったと同視できるほどの具体性・直接性は認められない。
・暴行脅迫の程度→反抗を抑圧する程度か否かは、一般人を基準に、暴行・脅迫の態様や時間的場所的状況等の事情を考慮して客観的に判断する。
②「財産上・・・の利益を得」たこと
・強盗利得罪は被害者の反抗を抑圧して財産上の利益を取得する犯罪であるから、被害者による処分行為は不要であると解すべきである。
本罪の行為態様及び1項との均衡からすれば、相手方の処分行為は不要である。しかし、処罰範囲の明確化のために、利益を得たといえるためには、具体的・直接的な利益を現実に取得したといえる必要がある。(被害者側の債権行使の可能性がどのくらい認められるか)
〇事後強盗罪(238条)
①「窃盗が」
・通常の強盗罪(236条)の既遂・未遂の判断基準が財産取得の有無に置かれるのであるから、これに準ずる事後強盗罪(238条)のそれも強盗の場合と同様でなければならない。
したがって、窃盗の既遂・未遂をもって区別すべきである。
②「暴行又は脅迫」
・事後強盗罪は強盗として評価されるものであるから(238条)、本罪における「暴行又は脅迫」は、財物奪取に向けられた、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使又は害悪の告知をいう。(なお、暴行・脅迫の相手方は、窃盗の直接の被害者に限られない。)
③窃盗の機会(※厳密には、「暴行又は脅迫」の中に含めて論じる必要あり?)
・強盗罪における暴行・脅迫が財物奪取の手段として行われる必要があることとの均衡から、事後強盗罪の「暴行又は脅迫」は窃盗の機会に行われる必要があると解する。
そして、窃盗の機会といえるか否かは、①窃盗行為と暴行・脅迫との時間的場所的接着性や②窃盗犯人に対する追及の継続の有無などにより判断する。
・窃盗の機会が認められなければ、本罪の「暴行又は脅迫」は認められない。
④故意
⑤「a財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、/b逮捕を免れ、/又はc罪責を隠滅するため」(主観的要件は一番最後)
aは既遂の場合、b及びcは既遂、未遂どちらの場合も
〇強盗致死傷罪(240条前段・後段)
①「強盗が」
・236 or 238を検討
②「人」を「負傷」or「死亡」させたとき
・240条は強盗の機会に死傷という結果が生じることが刑事学的に顕著であることに鑑み、生命・身体という法益をも考慮した強盗罪の加重類型である。そうだとすれば、死傷の結果は強盗の手段たる暴行・脅迫から直接生じたことを要せず、強盗の機会に生じたものであれば足りると解すべきである。ただし、処罰範囲の不当な拡大を防ぐため、(財物の奪取・逮捕の妨害等、)強盗行為と通常密接な関連性を有する行為により生じた結果に限る。
※考慮要素→場所的時間的近接性、犯意の継続性、密接関連性
※・「人」を強盗の被害者に限定する必要はない。
③故意
・240条には結果的加重犯の条文にみられる「よって」の文言がない。(また、本条の趣旨は、刑事学上、強盗の機会に死傷の結果が発生することが顕著にみられるから、禁圧のため厳罰に処す点にある。そうだとすれば、本条が故意ある場合を予想していないとは考えられない。)
したがって、故意ある場合を本罪に含めるべきである。
④既遂・未遂の区別
・強盗殺人罪(240条後段)の法定刑が重いのは、第一次的に生命・身体を保護法益とするものであるからである。
したがって、既遂と未遂の区別も殺人の点を基準とすべきである。
〇詐欺罪(246条1項、2項)
①「欺」罔行為(※判例の立場=財産上の損害はこの要件に含まれる)
・「欺」罔行為とは、財産的処分行為の判断の基礎となる重要事項について/偽ることをいう。
・a欺罔行為性、b重要事項性の順に検討するのが論理的(c問題次第では処分行為の検討も)
→a欺罔行為性:挙動による欺罔行為か、不作為による欺罔行為か
→挙動による「欺」罔行為は、ある挙動が特定の意思又は事実の表示を内包していると構成できる場合に認められる。
・b重要事項性
→相手方がその点について錯誤に陥らなければ、処分行為を行わなかったといえるような重要な事実
・c処分行為
→処分行為といえるためには、少なくとも占有(財産上の利益)の移転を基礎づける外形的事実を被欺罔者が認識している必要がある。
→処分行為=処分意思+処分権限(占有の移転か、弛緩か)
②「財物」・「財産上…の利益」
・「財物」とは、犯人以外の者が占有する財物をいう。
・「財産上…の利益」とは、財物以外の財産的利益一切をいい、(債権・担保権の取得・労務の提供などの積極的利得のほか、)債務免除や支配猶予を得るなどの消極的利得をも含むと解する。
③(財物を)「交付」
④故意+不法領得の意思
〇恐喝罪(249条1項、2項)
①「恐喝」
・「恐喝」とは、財物の交付に向けられた、人の反抗を抑圧するに至らない程度の有形力の行使又は害悪の告知をいう。
②「財物」・「財産上…の利益」
③「交付」(処分行為)
・恐喝罪の本質は交付罪であることからすれば、被害者の瑕疵ある意思に基づいた財物等の移転があるかが重要であり、被害者の黙示の不作為であっても処分行為たり得ると解すべきである。
④故意+不法領得の意思
※違法性阻却(いわゆる「権利行使と恐喝」の論点)→もっとも、~~したこと(Tb該当行為)が、権利の範囲内であり、その方法が権利の行使として社会通念上許される態様のものであれば、例外的に違法性が阻却されると解する。
〇単純横領罪(252条)
①「他人の物」
→金銭の論点、不法原因給付の論点などはこの要件で検討
②「自己の占有」
・ 「占有」とは、処分の濫用のおそれのある支配力を指し、具体的には、物に対して事実上又は法律上支配力を有する状態をいう。
※法律上の支配→法律上自己が容易に他人の物を処分し得る状態のことをいう。
③委託信任関係(※正確には「占有」の要件で論ずるべきか?)
・占有離脱物横領罪(254条)との区別の観点から、本罪の成立には、他人からの委託信任関係に基づいて他人の物を占有している必要があると解する。
具体的には、民法上の契約に基づく場合のほか、事務管理や後見、信義則の原則に基づく場合などにも認められる。
④「横領」
・(本罪は委託信任関係を破壊して行われる領得罪であるから、)「横領」とは、他人の物の占有者が、委託の趣旨に背いて、権限なく所有者でなければできないような処分をする意思、すなわち不法領得の意思を発現する行為をいうと解する。
⑤故意
〇業務上横領罪(253条)
①「業務」
・「業務」とは、社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われる事務で、他人の物の占有がその内容となっている者を指す。
②~⑥単純横領と同様
〇占有離脱物横領罪(254条)
①「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物」
・占有者の意思によらずにその占有を離れ、未だに何人の占有にも物
・他人の委託に基づかずに行為者が占有するに至った物
②「横領」
③故意、不法領得の意思
〇背任罪(247条)
①「他人のためにその事務を処理する者」
・「他人のためにその事務を処理する者」とは、事務委託者たる本人に代わって、その財産上の事務を行う者をいう。
※「事務」→私的事務・公的事務、法律行為・事実行為かは問わず、一時的な事務でもOK。
※信任関係→法令、契約、慣習、事務管理
②「任務に背く行為」(247条)
・「任務に背く行為」(247条)とは、本人からの委託信任の趣旨に反する行為を指し、これに反するか否かは、個々の事務の内容、事務処理者としての地位や権限、行為時の状況等に照らして判断される。
③「財産上の損害」
・「財産上の損害」は、経済的見地から判断して、全体財産が減少していることをいう。
④故意
⑤図利加害目的
・図利加害目的(「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的」(247条))の要件は、本人図利目的を除くことを裏側から規定したものである。したがって、本人の利益を図る目的でなした行為は処罰されない。
そうすると、本人図利目的と自己図利目的が混在している場合は、その主従によって本罪の成否が決められる。
※「利益」→財産的利益だけでなく、地位の保全や信用の維持などの身分上の利益その他の非財産的利益を含む
○盗品等保管罪(256条2項)
①「盗品/その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」
→領得罪のみ、毀棄罪等は含まない
②「保管」
「保管」とは、委託を受け、盗品等の占有を得て管理すること
③故意(38条1項本文)
・未必的認識でよい
○現住建造物等放火罪(108条)
①「放火」=目的物の燃焼を惹起させる行為(現実的危険性を有する行為)
②「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物……」
・「現に人が住居に使用」とは、起臥寝食する場所として、日常利用されていることを意味する
・「住居」→人の起臥寝食の場所
※「人」に犯人や死者は含まれない
※一体性はここで論じる
③「焼損」(取り外し可能か)
・「焼損」とは、火が媒介物を離れ、独立に燃焼を継続する状態に達したことを指す。
・複数建物への放火の罪数処理は、時間や距離の隔たりから、公共の危険の一個性を判断して、併合罪か包括一罪か決める。
○建造物等以外放火罪(110条)
①「放火」
②「前2条以外に規定する物以外の物」
③「焼損」
④「公共の危険」
・放火罪の公共危険罪たる性格からすれば、「公共の危険」とは、必ずしも108条及び109条1項に規定する建造物等に対する延焼の危険のみに限られるものではなく、不特定又は多数の人の生命・身体・財産に対する危険も含まれる。
・110条1項は「よって」の文言を用いており、結果的加重犯であることが明らかであるから、公共の危険発生の認識を要求するのは文理解釈上問題がある。
○有印私文書偽造罪(159条1項)
①「権利、義務……に関する/文書」or「事実証明に関する/文書」
→権利・義務の発生、消滅、変更を目的とする意思表示の合致を内容とする文書 or 実社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書
②「偽造」
・本罪の保護法益は、文書に対する公共の信頼であるから、「偽造」とは、文書の名義人と文書作成者の人格の同一性を偽ることであると解する
・名義人→当該文書から一般人が認識する意思や観念の表示主体をいう
・作成者→文書に表示された意思・観念の帰属主体
③「他人の…署名」、「印章」
④故意+「行使の目的」
・偽造文書を正式に成された文書として人を誤信させる目的
※行使罪も忘れずに(牽連犯で処理)