「情報を展開します」という表現をときどき見聞きする。「クライアントから返答がありましたので情報を展開します」「資料をありがとうございました。早速、展開しておきます」なんて使い方がされる。
よく使っているのは広告業界。というか俺の周りでは広告代理店の人しか使っていない。一時うちの会社で使っている者がいたが、恥ずかしいのでやめさせた。
言いたいことはわかる。「共有する」とか「伝達する」とかそういう意味なのだろう。でも「情報を展開する」って表現は受け入れられないなー。だって、へんてこだもの。
「展開」はそれ自体が広がりを見せたり、形を変えたり、順を追って進んでいくことを表わすときに使う言葉のはずだ。
たとえば「展開図」は、立体図を変形して平面に広げた図だから「展開」で正しい。物語の推移のことを「ストーリー展開」というが、場面が移り変わって物語が進んでいくのだからこちらも適切な「展開」の使い方だ。「眼下に展開する大パノラマ」って表現も、景色そのものが目の前に広がっているわけだから「展開」で合っている。
でも「情報を展開する」というときの「情報」は、1ミリも広がったりしないし、何も発展していない。受け取った情報をそのまま別の人に送っているだけなんだから、それは「転送」である。
「展開します」なんて表現を使わずに、「転送しておきます」でいいじゃないか。もしかしてあれか? 自分が何もしていないことをごまかすために、わざわざ「展開」なんて言葉を使っているのか? 煙に巻かずに、ちゃんとビジネスを展開してください。
では今週の揚げ物です。
蒲田・鳥久「から揚げ弁当」
【揚色】ブラウン
【食感】サクカリッ
【肉汁】ジ
【評価】★★★★☆
竜田揚げだ。表面の白い粉は片栗粉。食感はサックサク&ときどきカリッ。濃い味付けを想像させる揚げ色だけど、意外にさっぱり。ふわっとほのかに醤油の香りが展開する程度だ。
だから何個でも食べられそうなんだけど、いや20個も30個もはさすがに無理だけど、5個くらいなら余裕で展開できるんだけど、残念なことに、から揚げは1個しか入っていない。あー、もっと展開したかった。
「鳥久」は鳥専門の弁当屋さん。駅から遠いけど昼時には長い列ができることもあるらしい。創業は昭和3年。ってことは来年で創業90年! うまいもんね。愛され続ける理由がわかる味です。
それではまた来週。See you アゲイン!
【お店情報】
東京都大田区蒲田1-8-12
(京急本線・梅屋敷駅より徒歩9分)
●営業時間/6:30~18:00(売り切れ次第閉店)
●定休日/月1日不定休