こんにちは、ちびまるです。
さっそく「ナデシコ」の続きです。
ではでは、本編へ
面と向かって彼女(彼)の顔を見れない私を、
上唇をなめながらじっと私を見つめている彼女(彼)の視線が、
ちょうど私のおでこのあたりに突き刺さります。
私はできるだけ視線を合わせないように質問しました。
「どのへんのエリアで探されてるんですか?」
「お店がミナミだから歩いて5分以内のところ!
だって夜道って物騒で怖いじゃない!?」
「・・・・。」
冬だと言うのに半袖のセーターから出る腕は、
明らかに私の腕の倍はあります。
それでも、やっぱり夜道は怖いのでしょうか?
いったい何に怖いのでしょう?
しばらくたってから、困った私を見て、
まるで勝ち誇ったのように彼女(彼)がしゃべり始めました。
「オートロックがあって、南向きのルーフバルコニーっ!
大きなリビングっ! クロスはピンクの花柄っ!・・・
〇$%&/#”!$&っ!*&?々ゞゝ〇゜●っ!
◎℃¥★☆♀@#&っ!£%★●◆↓〒▼▽∋▲っ!」
後半何言ってんだかもう分かりません。
マシンガンのように、巻くし立ててきます。
「・・・・。」
彼女(彼)の話が一通り終わったのを見計らって
「お家賃とか保証金のご予算は?」
「家賃は4万円くらい! あと全額で15万円くらいで!」
「・・・・。」
“でた!・・・。”予想通りです。
夜のお仕事をされてる女性などは、
その時にまとまったお金がなくっても、
契約日になると男性が現れて
ポンっと決済金を払って帰る
といったことは、珍しくありません。
いわばスポンサーです。
だから、この物件は高くて無理かなと思っても、
意外にこのような女性は契約できてしまうのです。
ところが今回は事情が違います。
スポンサーが現れるようには思えません。
「残念ですが、この予算じゃワンルームですね。
しかもミナミから徒歩5分なんで全然無理ですよ。」
「それじゃ、ワンルームでいいわよ!場所もどこだっていい!」
「え!?。そうなの!? 」
初めからそう言って欲しかったです。
「ワンルームって言ったって古くなりますし、
それに場所は〇〇まで行かないとないですよ。」
「仕方がないわね。そのマンションを見せてもらえますう~。」
他に何件か同じような予算に近い物件をピックアップして
案内の段取りをしました。
「それじゃ行きましょうか?」
「それじゃ みなさん行ってきま~す♪」
彼女(彼)は後輩と事務員にニコニコと
愛想良く笑って店を出て行きました。
お部屋探しは ホームメイトFC難波西店
【本編はすべてフィクションであり、登場する人物もすべて架空のものです】