こんにちは、ちびまるです。
本日はいよいよ「保証人」最終章~
ではでは、本編へ
しばらくして、二人が当社に顔を出したのはかれこれ
5時間ほど後のことです。
話の内容としては、契約者の〇〇さんになんとか
返済させようと思ったのでしょう。
身内なり知人なりに頼んでお金を集めて、例え一部
でも返済するようにとのことでした。
一週間の間、部屋は出入できず、念書どおりの
返済金を持ってきたら部屋を空けるというのです。
「こういう話になったから、いいですか?」
保証人△△さんが私に確認しました。
「当事者同士の話し合いの末ですから、
当社は何も言いません。
ただ、家主から物件を預かる管理者として
部屋の明け渡しと結果的に発生した家賃は
どちらかに支払っていただけねばなりません。」
「わかってるよ。
もしこの人が戻ってこなかったら部屋
の中の家財を処分して返済の一部に当てるよ。
もちろん最終的には保証人の俺が払うよ。
最終的にはね。」
契約者の〇〇さんは、確約書に署名捺印をし、
適当な服などを持ってとりあえず
その部屋から出て行くことになりました。
その後、エレベーターの前で〇〇さんは私に少し頭を
下げ何も言わずマンションを後にし、
“きっと戻って来てくれる。
保証人さんと私たちとの約束を守ってくれる”
私はそう信じながら部屋の鍵を閉めました。
それから一週間が過ぎ、二週間が経過しても
〇〇さんからは何の連絡もありませんでした。
次の日△△さんから連絡がありました。
「本人から何の連絡もないんだから、
これ以上もう待てないよ。
仕方ないけど部屋の中を処分するよ。残念だけど・・・」
△△さんには以前のように声に勢いもなく、
また裏切られたような悲観的な感じが声から伝わってきました。
引越の段取りをし、家財をどんどん運んでいきました。
高級な家電や家財は、リサイクルショップに引き渡すそうです。
この引越し費用も労力も△△さんが負担しなければなりません。
お店の未収金もあるため、契約者〇〇さんの家賃の
滞納金は、分割で支払ってもらうことになりました。
分割で支払うといっても、元々は他人の肩代わりです。
逃げようと思えば何とでもできます。
請求してお金を回収する側も相当の労力を要します。
実際、全て回収できないのが現実です。
俗に、ミナミで長年水商売をしている者は、
どんなに遅くなろうとも必ず支払いは立てるといわれます。
それが大阪ミナミの商売人の“なにわ気質”なのかもしれません。
所詮はミナミという小さな街、悪ことは一瞬に噂になり、
後々 商売にひびく可能性もあります。
この保証人もやはりきちっと肩代わりの家賃を支払ってくれました。
契約上仕方がないことですが、
心情的にはまったく気の毒なことです。
契約者の行方はわかりません。
結果的に他人に迷惑をかけるという最悪な事態に発展しましたが、
この契約者もいつかまた、きっと発起し、
たとえ少しずつでも保証人にお金を返していってほしいと思います。
この保証人の誠意を無にしないためにも・・・・。
終
さてさて、次回からの営業マン奮戦記は・・・「ナデシコ
」ですっ
お部屋探しは ホームメイトFC難波西店
【本編はすべてフィクションであり、登場する人物もすべて架空のものです】