この度、念願叶って和竿の投竿を手に入れました。


超貴重品です。


今回は、入手に至った顛末を記しておきたいと思います。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「六角竿で100m」の記事で「スピニング竿、和竿の投竿が欲しい!痺れます!」なんて書きました。


こんなのですね↓


いろいろ情報を探しても、和竿の投竿なんて実物はもちろんのこと、写真もこの広告でしか見たことがない。

東作あたりのサイトを見ても投竿は無いし、似たものだと12尺海津竿が132,000円。

12尺や13尺の投竿を特注したら15万くらい?

なかなか簡単には手が出ない金額です。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


1981年、第4回東西投げ釣り40人の会には自作和竿の使い手が参加してました。


1981年月刊フィッシング10月号より
記事①


記事②

残念ながら上位進出とはならなかったようですが、データを見ると6本針仕掛けで100m以上投げています。

100mも飛ぶなら、竹竿で十分に投げ釣りは出来るんですよ。

シマノやダイワのカーボンじゃなきゃ釣れない、なんてことは無いんです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


グラスロッド、カーボンロッドの歴史は、たかだか70年。

和竿の歴史は何年?200年以上?

せっかく培われた大切な文化です。

その魅力を知ること、次の世代へ伝えることは、とても重要な課題だと思うんですよね。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


先月のこと。

ツネミのホームページで会社の沿革を見ていたら「平成8年、自社ビル内に東京釣具博物館を開設」「平成15年、6,000点の所蔵品を中川船番所資料館へ寄贈」と有りました。


6,000点の所蔵品?気になります。

何が有るんだろう?

ホームページでは良く分からなかったので、中川船番所資料館に電話でいろいろ聞いてみました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


会話の詳細は割愛しますが、資料館のスタッフがとても丁寧に対応してくれました。

話によると、資料館には釣具に詳しい人がいなくて、外部に「釣具アドバイザー」を依頼しているということ。

それが昭和24年創業、東京葛飾区のうつぼや釣具店さんです。

資料館の方にご紹介いただき、うつぼやさんと電話でお話する機会を得ました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


うつぼやさんのお話によると、資料館の収蔵品は和竿が主で、全て展示はできないので、少しづつ入れ替えて展示しているというお話でした。


ふと、「和竿の投竿が欲しいんですよね〜。」なんて話していたら「ウチにいくらか有りますよ」と、びっくりするようなことを仰る。


「どんなのですか?長さは?錘負荷は何号までいけそう?ガイドはどんなの?」ガッツリ食いついて尋ねてみると、

「3.9m?3.6mかなぁ?ステンレスのガイドが付いて、25号くらいなら投げられますよ。」とのこと。


マジか!?


でも高いんだろうなぁ・・・。


とりあえず3万円?5万円?


もしかしたら10万円とか?


恐る恐る値段を聞いてみる。



「ちなみにおいくらですか・・・?」


「ん〜〜と、5,000円くらいでいいですよ。」


「え?」


「でも送料がかかるから1万円かなぁ。」


「は?・・・え?、いやいやいや、安すぎませんか?」


「まあ別に、その頃の値段のままでいいですよ。」


「本当にいいんですか!?買います買います買います!」


と、まあ、そんなやり取りだったわけです。



そして数日後。





届いたのは長さ3.6m、重さ498gの

「和竿の投竿」です。

うつぼやさんの話では、50年以上前からずっと在庫で抱えていた物のようです。


よく見るとトップから3番目のガイドまで、穂先30cmほどはグラスになっています。


穂先まで全て竹じゃないのは予想外でしたが、それ以上に予想外だったのが498gという軽さ!


グラスの投竿だと600gや700gは当たり前。

極端な例では、サクラの日本号には1kg超えなんてのもあります。


498gなら、軽いリールとの組み合わせではタックル重量1kgを切ります。



プロスカイヤー6スーパーライトを付けようとしたら、リールシートが小さくて無理でした。オリムピックのモデル81だとピッタリですね。年代的にはちょうどいい組み合わせです。
でも、いずれはリールシートを増設して、どんなリールでも付けれるようにするつもり。
リールシート増設の方法については、先日その道のプロフェッショナルに教えていただきました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この度は、ひょんな事からうつぼや釣具店さんとのご縁をいただきました。
74年の歴史があるお店ということで、竹竿以外にも、いろいろ眠っているお宝があるようです。
和竿の投竿もあと少し残っている様子。

メールやFAXの対応はしてなくて、電話もなかなか繋がりません。
興味のある方は直接行かれるか、中川船番所資料館に問い合わせを。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

釣竿の素材は、竹よりカーボンが優れている。それが事実だとしても、竹竿を使ったことが無いのに安易に口にしてはならないと思った次第です。竹には竹の魅力もあるはず。
来年暖かくなったら、実釣レポート書きますね。