戦後の投げ釣り史にその名を刻む名竿。
それは・・・櫻井釣漁具の「日本号」!


1888年から続く老舗中の老舗、櫻井釣漁具が1964年(S39)に発売。
こだわり抜いた大口径ガイドと200mを謳う遠投性能で、当時の投げ釣りガチ勢に人気を博したそうです。

櫻井釣漁具の投げ竿が日本号に至るまで。
手元の資料で分かる範囲ですが、記してみたいと思います。

1955年(S30)水之趣味社 釣場ニュース

裏表紙 掲載広告
この頃は「サクラ六角竿」 のみで、グラスロッドの文字はまだ見えません。有れば広告に出るはず。
六角竿でブン投げる写真がシビれます。

1959年(S34)月刊つり人 掲載広告
この号でも六角竿の広告。
グラスロッド発売はまだ(?)の様子。

1961年(S36)のカタログより
ここでようやくグラスロッドが確認できます。

浦島、乙姫、竜宮の3種類。
これがサクラ最初期のグラス投げ竿のようです。

1963年(S38)月刊釣り人 掲載広告

ここでもグラスの投げ竿として
浦島 3.8m 4,100円、乙姫 3.0m 3,600円
竜宮 3.6m 3,780円が出ています。

大卒初任給が19,400円の時代ですから、かなり高級品のようですね。

六角竿もまだまだ現役のようで、
夕なぎ 3.8m 1,980円、荒波 3.7m 2,350円
帆風 3.6m 1,980円、飛魚3.0m 1,880円
呑竜 3.0m 1,620円
水神 3.0m 2本継 3.6m3本継 2,450円
などが出ています。

そしていよいよ1964年(S39)日本号の発売!となるわけですが、その直前(S38からS39)に大王というグラス投げ竿が少量販売されたらしく、実はこれが日本号のプロトタイプだったようです。

そして、1964年(S39)日本号発売


1975年(S50)カタログより

1975年(S50)カタログより



その後は素材をカーボンに変えて
「ホソ・カル・ピン」のキャッチフレーズで広告展開。

個人的には、1978年 第1回東西選抜投げ釣り40人の会、優勝者の竿が日本号Bだったのが印象深いです。

1978年(S53)月刊フィッシング9月号広告

1979年(S54)月刊フィッシング9月号広告

1980年(S55)月刊フィッシング9月広告

日本号の開発に携わった小田原一鱚氏については、またあらためて記したいと思います。

また、ここに記したのは現時点で分かっている範囲なので、足りない情報や間違いがあれば教えてください。
この記事も加筆、訂正するかもしれません。

それと、ここまで書いて言うのも何ですが、僕個人は日本号1本も持ってません!
ヤフオクを日々パトロールするものの、なかなか良い出会いがなくて。
もしも入手したら、あらためてここに出しますね。

日本号に金色のウルトラ93付けてブン投げたら気持ちいいんだろうなぁ。

(2023/12/31追記)
週間釣りサンデー昭和51年4月30日号より。
新たに広告を見つけたので出しときますね。