たぶん、初めて読む作家さんだけど、

以前から、私と同じ歳の方のブログに、時々

出てきて気になっていた作家さんです。

なんと、久坂部さんも同じ歳でした!

「人はどう死ぬのか」 「人はどう老いるのか」が

最近の著作で、これは予約しています

久坂部さんはお医者さんだから、

ちょっと難しい指南書みたいなものを書く人か?と

と思っていましたが、この「悪医」は、

普通の小説でした。


末期癌の52歳の患者、小仲

、が主人公です。独身で家族もなく一人暮らし。

冒頭は、

最初に癌の手術をし、その後再発してから

抗がん剤の治療を受けていた主治医、森川から

「これ以上の治療はできない、余命は3ヶ月くらい

残りの時間を有意義に過ごして下さい」

と言われ

激昂した小仲が、

「それは死ね!と言われたも同然

もう、先生には診てもらいません!」と

病院を飛び出すところから始まります。


主治医の森川は、最初の手術の時には、

「小仲さんの癌は早期ですから95%治ります」

と確かに言ったので、思い切って手術に踏み切ったのに、その後再発😰

辛い抗がん剤の副作用も耐えて頑張ったのに、

また転移もみつかり、😰そして、、

これ以上の治療の方法はない、

などと言うなんて、

きっと森川は、手術も失敗したから再発して

抗がん剤も間違えたから、効果がなく、

転移までしたのではないか?

と小仲の妄想は膨らみます💦

セカンドオピニオンをして、治療を受け、

絶対治して、森川に間違いを認めさせる!

と小仲は決意します。



一方、

医師の森川も、自分の言い方が不味かったのか?

末期がんで、治療をすることで辛く動けなくて、入院したままの日を過ごし、余命を縮めるより、

残りの時間を、有意義に過ごしてもらいたい、

その方が絶対、その人は満足して

人生を終えられるはず、と思っているのに、

ところが、小仲だけではなく、大抵の人が、

それは嫌だ!と治療を続けてくれ!と

言うことに戸惑っています。

一体どう伝えたら、それを納得してもらえるのか?を考え続けます。


どちらの思いも切実に分かります

ある方のブログで、それは自分が看護師でケアマネもされている方ですが、末期の膵臓癌で、お医者さんから、

もう治療はやめて、緩和ケアの方にすすんだほうが

良い、と言われて、

自分でも、診てきた患者さんには、

そう言ってきたし、そうだろう、と

思うけど、だけど、しがみつきたいという

思いもある。と書かれているのも見ました


私は、自分が癌になったときから、

今もつい気になって、同病や、他の癌の方たちの

ブログをよく覗いて見るのですが、

最近は、どこの癌でも、最後の1ヶ月前くらいまでは、緩和ケアで痛みなどのコントロールをすれば、

旅行や、推しのライブとかコンサート、などにも

出かけることができている様子を見ています。

1ヶ月どころか、直前までも、です。

その期間を、治療でただ苦しんで過ごすのは、

確かにもったいない、とは思うのです。 

まぁ、自分がそうなった時、そう思えるかどうかは

分かりませんが💦


小仲は、その後、別の病院で新しい抗がん剤を

やってみたり、自由診療の免疫細胞療法を

受けてみたりもします

が、いずれもやはり効果はなく、

結局は、一人暮らしのアパートに来てくれて、

親身に世話をしてくれるケアマネさんの

紹介でホスピスに入り、やっと、落ち着きは

しますが、それでも、小仲は、

森川にあてて、思いを録音したテープを

送ります。

「自分は、残りの余命を、癌と闘いきって、

力を尽くした、と思っている

医者は患者を突き離さないでほしい、

例え命を縮める治療でも、

治療をしてもらっている限り、希望はある、

希望は、患者なりの心の準備なのだから、

だから、俺は、

時間を無駄にしたとは思ってない、

先生の言うとおり、

残りの時間を有意義に過ごしたんだ!」



難しいですね。

これは、患者側より、お医者さんの方が

難しい、ですね