寺地はるなさんは、初めて読みました

皆さんのブログでは、

よく紹介されています


図書館で初めて寺地はるなさんの棚を見て

この本の題名

「夜が暗いとはかぎらない」

が、とても素敵に感じて…


題名だけでなく、

お話も、ちょっと驚くほど?素敵でした


いったい寺地さんって

幾つの人?と見てみると、

ちょうど私より20歳年下

まだ40代の方!

それなのに

とても落ち着いた深い温かいお話です


お話のメインの舞台は、

大阪のはずれの町の

あかつきマーケット


たぶん昔の公設市場ですね、

私が結婚で大阪に来た頃はまだあったし、

義母は、そこの中の店で働いてたから、

しょっちゅう呼び出されて店番したし😅

懐かしい!


そのマーケットで働く人や、お客さん、

同級生、同僚、家族、恋人


次々とお話の主人公は、

変わって行くけど、前のお話の

登場人物とどこかで繋がっていくので、

半分くらい読んだところで、ついに

相関図?を作りました!


何しろ、20人以上の登場人物

そしてその人達が、

家族だったり、

昔付き合っていたり、お隣さんだったり

保育園の親同士だったり、

店のお客さんだったり、生徒だったり、 

「大丈夫?」と声をかけてくれた人だったり

道を教えてくれた人だったり、

ちょっとだけすれ違ってた人だったり…


そしてその人たちみんなが、

少しだけ幸せになる結末


誰もが、私みたいで、

友達みたいで、両親みたいで、

息子や娘みたいな、普通の人、

そんな登場人物だから、

大きく変わってハッピーエンド!

ではなく

少しだけ幸せになる、

というのがとても自然で心地いいです


心に響いたのは、

そんな中の

トキワサイクルという自転車屋の

店主のおじいちゃんの話し


孫の和樹は、

おじいちゃんが、おばあちゃんの

お葬式でも泣かなかったこと、

お盆にも何もしないことを

ちょっと不満に思い、

冷たいな、と思ってる  


友達が事故で亡くなったことを聞いた

お盆の日

だから、つい

おじいちゃんに言ってしまう


「バカバカしいとは思うけど、年に一度、

お盆には死んだ人が帰ってくるって、

見えんくても、帰ってきてるって

僕は思いたいんや!」

 

そうしたら

おじいちゃんは、

「バカバカしいなんて思ってないで」

と言って


けど、生きてる自分を大事にすることが

いちばんの供養や、と思ってる

ばあちゃんのやり方で作った料理を食べて

ばあちゃんがしていたように、

テーブルに花を飾ること、

一緒に暮らしたいろんな思い出、

長い間、ばあちゃんと生きてきて、

それはもう

じいちゃんの一部になってる

ばあちゃんは、今はじいちゃんの一部で

じいちゃんの中で生きている

だから、自分を大事に生きること、

それがいちばんの供養やと思ってる


ばあちゃんだけじゃない、

今までの人生で関わった人全部

自分の中に取り込んで生きている

死んだ人間は、

たくさんのカケラになって散らばって

たくさんの人間に吸収される

生きてる人間の一部になる、

とどまり続ける


その亡くなった友達も

和樹という人間の一部になっとるやろ

お前が明日も明後日も

自分を大事に生きていく、

それでええんやないか


そう話して

それでもおじいちゃんは

精霊流しの舟を、作ってくれます



大切な人を亡くした皆さん

寂しくて悲しくて、

後悔ばかりで思い出したりするけど、

それでも、

自分の中で、その人は、

生きているから

自分を大事に生きていきましょう!


寺地はるなさんの

他の本を読むべきなのでしょうけど

ちょっとしばらくはこの本の余韻に

浸りたいな、と思うような

本当に素敵なお話しでした


凪良ゆうさん、一穂ミチさん、そして

寺地はるなさん、


最近知った若い作家さん、

凄いな!



春になった!と思って、

花の種たくさん蒔いたのに、

今日なんてまた冬😂

関東は、大変な風だとか!


でも公園の木蓮はもう咲いてます🤗