これもまた、随分待ちました
青山美智子さん3冊目です

たくさんの方の
ブログでの紹介を読んでいます

やはり前の2冊と同じように短編集

4編のお話を
一枚の絵が、つなぎます

そしてエピローグの章では、
その絵と、30年の時間と全てが
つながっていきます

私は絵のことは
よくわかりませんが、
実は娘はずっとその世界にいる人です
高校も大学もそちらに進み
仕事もそうです

だから近くにそういう世界は
あるのですが、
私はたぶんイマイチよく分からないのです😅

近くに深く分かる人がいると
自分の分からなさがよく分かる、
というか💦

自分は分からない、という気持ちが
あるせいか、
美術の世界のお話しは、何となく
敬遠してしまいます
原田マハさんなんて、
そんな本が沢山あります😂


これは最初の章は、
その一枚の絵が出来上がるまで、
その時のお話しですから
あまり美術的要素?はなくて

次の章は絵ではなく額縁を作る人

次は漫画家さん

でも最初の絵は、どこかで出てきて、
その絵が時間を経て、
次々と置かれる場所を変えていく
様子が分かります

そして最後の章は、
30年後のその絵というか、
その絵に纏わる人たちのお話し

エピローグでは、
その絵のあった場所、
周りにいた人たちの全ての
伏線回収があるので、
より楽しく温かく気持ちよく
読み終わることができました

一枚の絵のお話しというより
その絵に関わった周りの人たちの
お話しでした

やはり青山さんのお話は
いつもどれもとても
温かく優しいですね


それと
今年のお正月に来た、
本が大好きな小学生の孫が、
青山美智子さんも読んでるよ!と言ったので
まだ一冊も読んでなかった私は、
焦ったのですが💦

どうもこの本は、
私立中学の受験問題になったり
課題図書にもなったりしているようです
小学生で⁈と思うけど、
今時の小学生は侮れない!
ということです🤪


 


「PERFECT DAYS」


映画館は苦手な私ですが、
さすがにこれは、
どうしても観たかった!
WOWOWの放映までは待てないので、
昨日行ってきました

この映画の、予告編などを観て、 
そもそもこういう種類の映画は
(ドラマ性のない淡々とした日常を描くような
静かな映画)
昔から大好きだし、

これを観ると、私はきっと自分の生活に
肯定感を持てるはず!
元気になるはず!と思っていたのですが、

まぁそれはそうなのですが、
そして、やはり私の今の生活と
この映画の役所さんの演じる主人公の
生活とはそれほどの違いはありませんが
残念ながら
主人公なら(役所さんなら)ステキに見えても 
私では美的な絵にならない💦かな?
という感じもあり😅


主人公は、公衆トイレの清掃員です
スカイツリーの近くの😍
古いアパートで暮らしています

朝、
近所のおばあさんの
箒を使う音で目を覚まし、

育てている植物の鉢に水をやり、
アパートの前の自販機で缶コーヒーを買って
掃除道具を積んだ車で仕事に出発

道中は、カセットで古い曲を聴き、
公衆トイレを回って、丁寧にキチンと
掃除をしてまわります

お昼は神社の中のベンチで
サンドイッチと牛乳で昼食
その時に、
古いカメラで、「木洩れ日」を撮るのが
主人公の趣味です

その仕事が終わると、アパートに帰り
今度は自転車で
開いたばかりの銭湯に行きます
まだほとんど人の入ってない銭湯で
ゆっくりお風呂に入り、

そしてその後は、
駅ビルの地下の呑み屋で晩酌です
店主は、いつも、「おかえり!」と
迎えてくれます

そして文庫本を読みながら眠りにつく
という日々

休日には、
コインランドリーに行き
そして古本屋で、一冊だけ文庫本を
書います
ここの古本屋の店主のおばさんの書評は
とても的確で楽しいです

写真を現像してもらい、
そして夕食は、小料理屋さんへ
女将は、主人公をちょっと贔屓にしてくれて
お惣菜はいつも少し大盛りです

主人公のそれまでの人生は、
全く語られませんが
それでも過去には、何かがあって
こういう生活を、
自ら選んでしているのだろう
ということは想像できます

といっても仙人のような人ではなく、
シフトがきつくなれば、
電話で文句も言うし、
小料理屋の女将に男性の影を
見つけるとヤケ酒を呑んだりもします

だけど本当に今の生活を
楽しんでいるんだな、ということは
よく分かります

これを観ると、誰もがちょっと
「こんなふうに生きていけたら」
という映画のポスターの言葉どおりに
思うのではないでしょうか⁈


朝、ドアを開けて外に出る時
主人公はいつも、空を見上げて
新しい日が始まることを、
楽しく嬉しく思っている、
というように
少し微笑みます

私も朝、外に出る時、
空を見上げて微笑んでみようかな?
それくらいなら、何とか絵になるかな?
と思ったりしました

とても綺麗な良い映画でした

WOWOWで放映されたら
録画して何度も観たい、と思っています