「ばにらさま」

この本は、山本史緒さんの遺稿、

「無人島のふたり」を読んで、

初めて出版を知り、図書館に予約しました。


7年ぶりに出た「自転しながら公転する」は、

すでに予約済みでしたが、

「無人島のふたり」と同時に買ったので、

キャンセルしました。


これも一年近く待って、届きました。

6遍の短編集です。


これを読んでから、もう一度、

「無人島のふたり」を読んで

確認しましたが、この6遍は、

病気の発覚以前に書かれたものです。


この6遍と、新作を一編書いて

新しい短編集を出すつもりだったけど、

病気の発覚、そして余命も4ヶ月と

告げられ、新作を書き上げることができず、

それまでの6遍だけで出版することに

なった、と書かれています。


山本史緒さんの本は、

20年ちょっと前、

「恋愛中毒」を読んでから、

ハマってしまい、次々と、読んできました。

全く新しい価値観のような?ものを

感じました。

ストーリーも視線も、すごく新鮮だった!

若い人なのか?と思うと、

私と5歳くらいしか違わなくて、

すごいな!

才能があるって、こういう人のこと

言うんだなぁ⁈とかって思ったのを

覚えています。

ただ、「自転しながら公転する」まで、

7年のブランクが、あったので、

これからまたやっと!と

喜んでいたところでした。


林真理子さんが、

山本史緒さんの「自転しながら公転する」の

書評で、

「何もない普通の、ちまちましたことを、

ちまちまちまちま書いていって、それを

面白く読ませるという特別の才能」

と言っていたけど、

なるほどねぇ!とも思います。


別に特別ではない

普通の人のちょっと病んでいる部分を

クローズアップはしてあるけど

つまりちまちま書いていって、

読んでいる方は、

そうだよねぇ😮‍💨とか、そんなことしたら😱

とか、そうそうそれでいいよ🤨とか、

完全に主人公と同化してしまって、

どんな主人公にも、

どこかに私がいる!という感じ。


その私のような主人公は、

私の出来るワクを飛び越えて、

ストーカーになったり、

車上生活者になってしまったり、

不倫の果てに男を奪い取ったりする.

んだけど、そしてそれは失敗かも

しれないけど、

それでも!みんなそのまま普通に

生きていっていて、


どんな生き方だってあるんだ!

どんな生き方をしたっていいんだ!

ということを教えてくれました。

それは、20年前の私には、

とても新鮮な感覚でした。

そして、物凄い励ましになりました!


この「ばにらさま」も、

6遍、それぞれ、それぞれの生き方。

全部、ちょっと身につまされるようで、

どれにも、やっぱり、

ちょっと私が見えるようで🤣

山本さんのお話だなぁ、と

噛み締めて読みました。



「無人島のふたり」の中に、

次の次の作品に、

この本の中の一編の「20×20」の

作家崩れの女の人を主人公にして、

表現を止めることのできない、盗作紛いの

ことをしてまで創作にかじりつく、

頭のネジが1本飛んでるみたいな人を

書こうと思ってた、とありました。


読みたかったですね。

淋しいです。



急に秋になって、

とても気持ちの良いお天気。

仕事帰り、

ちょっと散歩してみようと、

大阪駅の北側、(ウメキタといいます)

をぶらぶら。

今、開発も進んでいるのです。


お月見広場、だって。


こんなものも!


もう少し向こうまで行こうと思ってたのに、

今期初、ブーツを履いてきたもので、

何だか足が重くて、

(スニーカーからですからね🤣)

ここをぶらぶら、で断念。

こんな季節が、なるべく長く続いて欲しい😊