これは、皆さんがブログで紹介されている
柚月裕子さんの本と
間違えて借りてしまった本です。

全く初めての作家さんでした😄
間違えたなぁと思いながら読み始めたけど
ところが、すごく面白かった?のです。

久しぶりに、じっくりじっくり、
読み込んだ、という感じです。


結婚詐欺の末、男性3人を殺したとされる
容疑者、梶井真奈子、という女。
太っているし、若くも美しくもなくて、
ただ料理が得意、というだけの女。

たぶん、実際にあった事件を
モデルにしているのだろうと思います。

週刊誌の記者の里佳は、
この女、梶井真奈子を、記事にしたくて、
取材を申し込む。

だけど、取材を重ねるうちに、
欲望と快楽に忠実な彼女の言動に
だんだん翻弄されるようになって…。


その太っていて
若くも美しくもない梶井は、
女性としての自信に満ち溢れ、
女性の痩身願望を嘲笑い、
ダイエットほど無意味で
知性とかけ離れた行為はない、と断言し、
男性は、本来ふくよかで豊満な女性が
好きなのだ、と説く。

彼女からまず最初に教えられるのは、
「バター」
「熱いご飯に、バターをのせて、
お醤油を少し垂らして、食べてみて😉」

バターの銘柄も、エシレ、と指定され、
そして実際、それを食べた時から、
里佳は、変わり始める。

面会のたびに、梶井に、
あそこの店のアレ、と、指定され、
次々とそれらを食べてみて、
感想を言う、ということを繰り返し、
そして、自分でも作ってみるように
なって…。
里佳も、食欲という欲望を
抑えることができなくなっていく。


前半は、そんないろんな料理のお話で、
もう何だかどれもこれも、
食べてみたくて、作ってみたくて、
本質のストーリーより、
そのことに夢中になってしまいました😅

そして、里佳は
激太りと言われるような太り方をして、
同僚や恋人から、もうやめた方がいい、
梶井にコントロールされているのだ、
と警告されるのだけど、
だけど
どうして3人もの男たちは、
この若くも美しくもない梶井に、
財産を投げ出すほど心酔したのか?
もしかすると梶井の言うことが
正しいのではないか?
もしかすると、3人の男たちは、
梶井が殺したのではなく、
自滅したのではないか?
という思いも捨てきれず、
梶井との面会を止めることは
できない。


だけど昔からの大事な友達の玲子が、
里佳への心配のあまり、
自分も、梶井に近づき、
そして、玲子も梶井の洗脳で、
だんだんおかしくなり始め、
家出をし、行方不明になり、

そこで初めて、里佳は、
梶井の恐ろしさに気づいていく。

この後半の玲子のくだりのあたりから
展開が、あまりに速すぎて、
よく分からないような感じに
なるんだけど、
でも、どうしてそうなってるのか?
と疑問に思いつつも、
その時々に出てくる
梶井の母親、妹、幼馴染の話しや
里佳の父親、などの
ひとつひとつののエピソードが
すごく面白いので、
展開的によくわからなくても、
すっ飛ばして読んでしまいました🤣

結局、もう梶井の事件など、
主題ではなくて?
私は、これは、
生きていく上での「食」の話しなのだ、
と思いました。

食べることにほとんど興味がなく、
週刊誌の記者の仕事で、
心身をすり減らして、
それを疑問に思わず生きてきたけれど、
梶井に関わることで、
そういう生き方は、
周りの人たちも傷つけることになる、
ということ、
自分を大事にする、ということは、
ある意味、欲望に忠実になること、

食べたいものがある、
食べたいものを食べる、
そして、
食べたいものを自分で作る、

それは、生きていくための大きな力だ
と、里佳は、思うようになります。

バター乗せご飯から始まり、
明太子パスタ、
塩バタラーメン、
ケーキのカトルカール、
帝国ホテルのシャリアピンパイ
今半のすき焼き、
新潟のお米、北海道の牛乳、
そして最後の
七面鳥の丸焼きまで😍
とにかく、美味しそうな料理の
オンパレードです!

少し生意気なことを言えば、
いろいろな感情や、人の様子や、の
表現の仕方に、
頑張って表現しました!感?が感じられて、
ちょっと違和感があったのですが、
まぁそれは、好みの問題かも?

そして、
早速、デパ地下で、
エシレのバターを買ってしまいました!

私は、胃をほとんど摘出した時
外科医からは、
もう太るということは望めません。
と断言されましたが、
その後読んだ医学書に
とりあえず術後1年は、何でも食べたい物を
食べられるだけ食べることが大事で、
糖分を抑えたり、健康食と言われる物を
食べたりする必要はない、ということを
読んで、
ひたすら食べたい物を
食べられるように工夫して、
時間も何も関係なく食べ続けた結果、
2年で元の体重に戻ることができました!
これは私だけの見解ですが、
その後の再発を抑えられたのは、
この食べたいものを食べられるだけ食べて
体重を増やすことだけ考えたのが
かなり良かったのでは?
と思ったりしています。

ほんの一時ではありますが、
口からは全く食べられなかった時を
経験したことで、
食べられる幸せは、身にしみて
感じています。

そして先日から気になっているのは🤣
元夫のことで、
年金だけでは足りない、というのは
どう考えても甘えで、
そんな訳ないわ!と思うのですが、
ただ、どうやら、
一緒にいたはずの人もいなくなって
ひとりになったらしく
そうすると、食事はどうしているのだろう?
とそればかり気になります。
娘に尋ねたら、
そんなもんどーにでもなるでしょ!
と軽くいなされたけど、
なぜか男の人の、ひとりの食というのは
哀れさが付き纏いますね。
この本で、里佳の父親が、
母親と離婚後、ひとりになり、
自暴自棄な生活を続け、結局、若くして、
孤独死をした、というエピソードがあり、
思わず、ちょっと我が事に置き換えて
しまったりして…😱

とにかく改めて、
食べる、ということを考えた本でした。

そして余談ですが、
この間から、はまっている、つけ麺です。



もう半分食べてから、

思いついて写真撮ったので

お肉も少ないのですが、

(食器も和食用でいい加減です💦)

豚バラを塩コショウ、生姜、ニンニクで

(チューブのものでいいですよ😝)

炒め、そこにお酒、醤油、

ウェイパーなどで(中華のだし)

味をつけたスープにして、刻みネギを

のせたもの。超簡単!

そしてとても美味しい!

TikTokでみました✌️