皆さんのブログを読んでいて、
これは私も読んでみたい、と思う本が
たくさんあります。
それをメモしておいて、図書館に行き、
無ければ予約をしておく。
これもそういうふうに予約していた本です。
「まぐだら屋のマリア」
題名だけ見ると、宗教的なものかな?
と思っていました。
マリア、シモン、マルコ、キリエ
と出てくる名前は
確かに宗教的ですが、内容はその要素を残しながら
違っていました。
大きな老舗料亭で、修行していた主人公紫紋は、
その店の偽装事件に巻き込まれて、
全て失ってしまう。
一緒に修行していた弟分の悠太は自殺してしまい、
その死も自分のせいのように思った紫紋は、
自分も死のうと、最果ての地、尽果、に辿り着く。
そこで、小さな食堂を営んでいるマリアに出会い、
そこを手伝い、
温かい村の人、食堂の客たち、に囲まれて働くうち、
もう一度その最果ての地から、引き返す力を
取り戻していく
1年の再生の物語。
その食堂の持ち主の女将とマリアの関係や
マリアの過去など、終盤は次々と
驚く真相が明らかになっていき、
いろいろな謎が解けていく。
一気に読み終えてしまいました。
私は、何より、紫紋の作る料理を、
細かく詳しく手順まで書いてあるところが、
とても楽しくて、
やはり、食べるものの出てくるお話は
良いなぁ、と。
「おいしかった!」
「おいしかったよ!」
という言葉は、
本当に温かく、嬉しく、励まされる言葉です。
紫紋が、食堂の客たちからかけられる
その言葉で、だんだんと再生していく力を
つけていくところが実感で分かり、
ほっこり暖かくなるようでした。
原田マハさん3冊目。
それぞれが違って、新鮮でした。
暑い日が続いています。
仕事のアレコレで、なんとなく憂鬱な気分
ではありますが、
何か好きなことででも気を紛らわし、
自分で自分のご機嫌をとって
できるだけ楽しくいこう!
と、思っています。