図書館の本。

川上さんの「乳と卵」は、

なぜかよく覚えていますが

12年前、新大阪の新幹線のホームの

キオスクで買いました。

品川に着くまでに読んだけど、

意外に面白かったな!と

思った覚えがあります。

若い作者さんだから、

もっと観念的な理解し辛いものか?

と思ってたのですが😅


フォローしているブロガーさんも

以前これを取り上げられていて、

ブログを読んで、面白そうと思い、

うまく目についたので、借りました。

再読?と思ったのですが、

第一部は、ほぼ「乳と卵」ですよね?

どこにもそれが書いてないので、

確認できないのですが、

確かに読んだことがある内容なんだけど、

読んだことのないところもある🤣


第一部は、

9歳年上の姉と(39歳)12歳の姪が

大阪から上京してくる、

というところから始まり、

それは姉の豊胸手術のため、

というのは、「乳と卵」とおなじ。

やはり合間の、姪の日記風の独白が

とても面白く、可愛く、切ない。

この「夏物語」では、

主人公夏子の幼い頃の

貧乏だった生活の様子が、かなり詳しく

加筆されていて、

その部分で、すごく、話しは深くなり、

姉が、豊胸手術を受けたい、

という突飛さも、なぜか頷ける気分になる😅

主人公が、幼稚園の頃、

園で、葡萄狩りの遠足があり、

それをとても楽しみにしていたのに、

参加費が払えず、行けなくて、

ずっと泣いていると、

姉が、部屋のそこらじゅういろんなところに、

ソックスや布巾や下着やらを引っ掛けて、

抱っこしてくれて、

「ほうら、ぶどう狩りやで!これ全部ぶどうやで!ほれとりやとりや!」

と、言ってくれた、と姪に話す夏子の話しは

あまりに切なくて、でも温かくて

涙が出ました。

姪の日記や、姉の話し言葉が、

大阪弁のそのままの音で書いてあって、

とても楽しいです✌️


第二部は、

それから8年後のお話。

夏子は、一冊の短編集がヒットした

作家になっている。

メインは、A I Dという、不妊治療として

実施されている精子提供の話し。

夏子は、それを受けて、自分の子供に

会ってみたい!と思うようになる。

子供を生む、ということが、

どういうことか?


ものすごく賛成し、

是非やってそれを本に書け、という作家、

そんなことより、まず今、目の前の小説を

書き上げることに専念しろ、

という編集者。

それは自分のことしか考えてない、

一方的で暴力的なことだ、という、

自分がA I Dで生まれた女性。


第二部の方は、

夏子に関わるそれぞれの人に

それぞれのとても重い経験や事情

出来事があり、

とても複雑で、深いお話しです。


なんだか久しぶりに、

真剣に入り込んで本を読んだ、

という気分です。

読了後、あまりに本の気分を 

引きずっている感じがして、

散歩に行って、花を摘んできたり、

冷蔵庫の掃除をして、野菜スープを

作ったりしましたが、

まだなんとなく、この本の世界の中に

います💦

次の本を読むか、何か観るしか

ありませんね。


いつも行く映画館で

「PLAN75」上映されているため、

昨日仕事終わりに観ようと行ったのですが

満席になっていました💦

残念😂