荻原浩さん、まだ2冊目です。

「海の見える理髪店」

しか読んでいません。 

図書館で、この本を見て、

たぶん映画があったような?と

思いましたが、その映画の原作本なのか

同名の小説なのか?

分からなかったのですが、

やはり映画の原作なのだ、と分かり、

少し驚きました。

荻原浩さんは、「海の見える理髪店」

で、初めて認識した作家さんだったので、

本当に失礼ながら、

そんなに以前に、映画化された本が

あると思わなかったのです💦


若年性アルツハイマーになった

50歳の男性のお話です。

とても辛くて重いお話しでした。


最初の頃の主人公の症状など、

自分も思い当たることばかりで、

病院で、主人公が検査を受ける所などは、

思わず一緒にやってみてしまいました💦


記憶が失われていく。

今の自分を形作っているもの、

今までの経験、築いてきた人との繋がり、

その記憶が、たぶん今から近い方から

無くなっていく。

体の病気とは違って、

痛さや苦しさもなく、

表面上はそれほど変わらなくても、

だんだん自分が自分を失っていく。

それがどれほどの恐怖か!

まだ病気を隠し、取り繕って

仕事をしている頃の主人公の様子は、

本当に痛々しくて、

読み進むのが重たかったです。


最終章

若い頃に通っていた陶芸の窯に

辿り着き、そしてもう病気のことも、

忘れてしまうほどの時を過ごす。

迎えにきた妻のことも、

もう分からないんだけど、

でもその妻に

とても温かく優しい言葉をかける。

最後のその主人公の言葉で

救われます❗️

ここだけは、映画で、渡辺謙さんで

見てみたいと思ったりしました❗️


この本を読むのが重たかった時、

途中で、本を置いて、

「ファーストラブ」

という、録画していた映画を見ました💦

北川景子さん主演のこの映画は、

幼い頃の記憶に苦しむ、

ふたりの女性のお話です。


記憶を無くしていくことに

苦しむお話しと、

記憶から逃れられず

苦しむお話し、

偶然ですが、記憶、というものを

考えさせられました。

この映画の招待状は、

「記憶の蓋」という文章でした。


思い出したくないことは

思い出さなくていいんだよ

記憶に蓋をすればいい

嫌だった時間に振り回されるなんて

もったいない

ただその蓋はいつかは

開くんだ

開けなきゃいけないんだ

記憶が薄れた頃や

自分が強くなったと思う時

開ければいい

それでも心が苦しいと感じるなら

思い出したくないことも

人生の地層だった

そう思って蓋なんて

捨ててしまいな