世間では2学期期末テストのシーズンです。
今回は、中3社会の公民で、「選挙」や「国会」が出題される学校が多いです。
だいたいどこの塾業界も、テスト対策となれば、普段使っているテキスト以外にも追加問題を用意して印刷することが多いでしょう。その場合、この「国会議員定数」はくせ者ですね。
現在の国会議員定数は、
衆議院「465」、参議院「248」です!
(2019年11月15日現在)
しかし、過去問や昔の問題集から問題を印刷した場合、しっかりチェックしないと、模範解答に載っている正解が改正前の数字になっていることが多いのです。テストでは「以前何名だったか」は問われません。模範解答を修正して、現在何名であるかを答えなければなりません。
議員定数は、昭和の頃からたびたび変更されてきましたが、昭和は、されても十年に一度くらいのペースだったのですね。しかし、平成に入ってからは、これまでにないペースでした。
<議員定数の変遷>
衆議院
466(昭和22)
→467(昭和29)
→486(昭和42)
→491(昭和45)
→511(昭和51)
→512(昭和61)
→511(平成5)
→500(平成8)
→480(平成12)
→475(平成24)
→465(平成28)
平成に入ってからがたいへん目まぐるしくないですか。なので、「模範解答」を、「それで正解なのか」チェックしなければならないのです。
ちなみに参議院は、衆議院ほど目まぐるしくはありません。
参議院
250(昭和22)
→252(昭和45)
→242(平成12)
→248(平成30)
ただし、1つ注意しなければならないのが、参議院は「半数改選」だということ。
衆議院は4年に一度、総入れ替えになるのに対し、参議院は任期は6年ですが、その半分の124名を3年ごとに選挙で入れ替えます。衆議院を総入れ替えする理由は2つ、内閣と責任を共にしており解散があるから、より頻繁に民意を反映させるため。参議院が半数改選の理由も2つ、政治的空白をつくらないため、議院の継続性のため。だから参議院の定数は常に偶数でなければならないのです。ところが、以前の定数242から現在の248になって、参議院は半数しか入れ替えられていません。記憶に新しい今年の参院選ですね。なので、平成30年に+6するよう法改正されたものの、まだ+3しか選ばれていないため、現在の参議院議員の人数は、+3の245名なのです。
普通、学校のテストでは、定数である「465」と「248」を問うはずです。よほど意地悪な先生の場合は現在の人数「245」を答えさせる問題を作るかも知れません。気を付けて欲しいのは、生徒が覚えるときや、検索を使って調べるときに混同しないで欲しいということです。
先生の方も間違えないかヒヤヒヤしてます。
<追記>
関連した公民の動画を紹介します。
5.国会と内閣(前編)
この動画では「国会」を中心に扱っています。暗記することがやや多い単元ですが、
「記述で出やすい」「記号問題で出やすい」など、具体的なパターンを紹介しつつ、
「なぜそうなのか」という理由や「イメージ」をしっかり解説するので、
単なる暗記よりもずっと覚えやすいと思います。
6.国会と内閣(後編)
この動画では「内閣」を中心に扱っています。現役講師ならではの判断で、
出ない知識はバッサリ省略、テストに出るところだけ扱っています。
今回も、「なぜそうなのか」という理由や「イメージ」をしっかり解説したので、
単なる暗記よりもずっと覚えやすいと思います。
7.裁判所・三権分立
現役講師ならではの情報収集力で、テストに本当によく出る所だけに絞って
「覚えてください」と解説しています。また、短い時間ながら、実際の判例や社会問題も
しっかり紹介しているので、単なる受験勉強ではなく、本格的な理解を助けます。