立松和平さんの遺した「竹田の月」
作家の立松和平さんが、今月の8日に亡くなられました。
2ヶ月ほど前に当館にいらっしゃった時には全くもって元気なお姿であっただけに
、私達みな驚きをいまだに隠しきれません。
先のブログ で書いたとおり、先生とのこれからのお付き合いを楽しみにしていた矢先でした。
竹田市としても本当に貴重な財産を失ってしまったように感じております。残念でなりません。
お亡くなりになる直前、立松和平さんが、100万人のふるさとという冊子に「竹田の月」という手記を寄せてくださっております。つい先月のものです。
ここで当館のことにも触れてくださっておりますので最終部を抜粋して紹介させていただきます。
~私たちは竹田の人たちと、岡城ならぬ市内の長湯温泉で酒宴を張
った。竹田の人たちは宴の最後に、この「荒城の月」を声を揃えて歌う
のである。宴が果てた後、私は旅館にある茶室のような一人用の風呂
にはいった。頭をぶつけないように注意して湯の中に身体を沈める
と、目の前の夜空に満月が皓皓と輝いていたのであった。この月にも
香り高い気品が漂っていた。
――立松和平先生のご冥福を、慎んでお祈りいたします。