(F)です。


 今日は昨日に引き続きゴッシーのお話です。


 ある日私は親戚のM兄さんとG湖へ釣りにきていました。


 暫くするとM兄さんにヒット!


 始めは様子を見ていたのですが、なにやら様子がおかしい、


 この時もアメマス釣りのタックルだったのですが、ギーッとドラグを鳴らし


ラインがどんどん出て行きます。


 リールにももうほとんどラインが無くなって来ました。


 M兄さんは慎重にゆっくりとラインを巻き取り、リールにもほぼラインが


戻りましたが、もう少しという所でまた魚が沖に向かい走り出しました。


 魚の姿はみえませんでした。


 そんなやりとりをもう2~3回繰り返したでしょうか、気がつくと少し離れた


橋の上に人だかりも出来ていました。


 「そこから魚は見えますか~」私たちはギャラリーの人達に叫びました。


 「見えね~」・・・ 何度手元まで寄せはするものの姿がどうしても


見えません。「(F)、スプールに水をかけてくれ」 確かにこれだけ


やりとりをすれば、ラインにも負担がかかり、熱を持って劣化しているかも


しれません。


 そうしているうちにも、さらに2回ぐらいラインが出たり巻き取ったり、


 気がつくとギャラリーは飽きてしまいいなくなってしまいました。


 ある事に気づきました。 「取り込むネットが無ぇ」


 「俺のシャツで取り込みましょうか?」 「いや、無理だべ」


 冷静に考えれば、こんなに大暴れしている魚をシャツで抱き取れる


はずなどありません。 私も興奮しすぎていました。


 釣りキチ三平の谷地坊主じゃないんだから・・・・


 しかし結末は突然訪れました・・・


 水中の木の切り株にラインを巻かれてしまったようです。


 その後ラインが切れてゲームオーバーしょぼん


 気がつくと30分が過ぎていました。


 「何だったんだべなぁあれは?」


 「何だったんですべねぇ???」


 「きっとゴッシーなんだ」


 「んだ、あれはゴッシーですね」


 この時から私達は姿の見えない逃がした魚をゴッシーと呼ぶように


なりました。


なんとなく正体は分かっているんですが、姿を見ていないし、憶測で


モノを語るのも野暮なので、ゴッシーと言う事にしています。


 男のロマン、謎の怪魚ゴッシー いつかは仕留めたいヤツです (END)