☆乳酸リンゲルと酢酸リンゲル | きじとら☆茶とら+はちわれ

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うちの猫達と他所の猫達のことなどあれこれ書いてます。
※不妊治療は限定記事にしています。

先々週で記事に書いた点滴のこと。
(アメンバー限定にしています)
実は先週の月曜日に腫瘍の専門医の先生にセカンドオピニオンを聞きにいきました。

サリドマイドについてはやはり使わないとのこと。
効果も出ないようで?申請やら手続きでかなり費用がかかるそうです。

ハチについては、最初の治療で効果が出ていたので途中で休んでいたのが残念と。
↑これに関してはずっと使っていても耐性が出来て同じ様な時期に再発した可能性もあるし、気が付くのが遅かったけれどダウン腎臓も元から良くなかったので、ずっと継続していたら腎不全のほうがもっと悪化してしまっていたかもしれません。
それに食欲が10日以上は廃絶してしまうし、抗がん剤で生活の質は確実に落ちていたので無治療で半年ほど元気な状態でいられたのは結果的には良かったのでは?と思っています。

今回はビタミンCは使わず食欲廃絶したので、年末に再発した時に食欲廃絶が起こらなかったのはビタミンCの点滴の影響と思われます。
副作用が減った=抗がん剤の効果も落ちた、と認識していますが。。
抗がん剤と抗酸化物質の併用については、賛否両方あるけれどせっかくきつい治療をするのだからしっかりと効いて貰いたいので今後も併用はしません。
抗がん剤自体は効いているのが長くて3日程度らしいので、その後は使いますが。

気になっていた乳酸リンゲルの事を聞いたところ、どちらを使っても特に違いが無いと思われたので癌だから乳酸リンゲル液を使わないと言うことは無いそう。。
ついでに点滴と思ったのですが、なんと乳酸リンゲルしか置いておられないと言うことで…。
どうなんでしょうねえ??
理屈で考えると腫瘍がある体に乳酸をあえて入れるのは、プラスにはならないように思う。。

ネットの相談でも癌に乳酸リンゲルは使わないと言う獣医さんもいるし、癌で悪液質の状態なると体内に乳酸が増えるからそこに更に乳酸をプラスすると負担しか無い様に思います汗

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癌による代謝の変化と栄養について
炭水化物代謝(一部抜粋)

癌の動物において、劇的な代謝障害が、炭水化物代謝に起こります。
末梢のブドウ糖利用、肝臓の糖新生、全身のブドウ糖酸化と代謝回転に異常が認められることが実証されています。

正常動物は、ブドウ糖を好気性代謝で利用し、その結果大量のATPを産生し、将来の利用に備えます。
(クレブス回路・・・1モルの糖から38モルのATPを産生)

癌細胞は、好んでブドウ糖をエネルギー源として利用します。そして癌患者には、乳酸アシドーシスが起こります。
癌細胞は好気的ブドウ糖代謝に必要な酵素をもっているのですが、理由は明らかになっていませんが、腫瘍は嫌気的代謝によって優先的に糖を代謝し、最終産物として乳酸を生成します。
そして、患者は、コリ回路によって、それによって産生された乳酸を利用できるブドウ糖に変換するために多大なエネルギーを消失します。
こうしてたくさんのエネルギーを使って作ったブドウ糖をまた、癌が利用してしまいます。
炭水化物を得ることで、腫瘍がエネルギーを獲得する一方、癌患者は、却って多くのエネルギーを失ってしまうのです。
炭水化物を与えると、癌患者は、かえってエネルギーの借金を作り、乳酸濃度が上昇し、患者に負担をかける結果になってしまうのです。

これらの異常は、悪液質の臨床徴候の認められる前からしばしば存在し、癌のイヌを化学療法や外科手術で治療して疾患を取り除いても、高乳酸血症と高インスリン血症は改善されず、代謝異常が続いてしまいます。
最近の研究で、リンパ腫のイヌについて証明されていますが、他の腫瘍でも同じ代謝異常が起こっていると考えられています。

輸液療法を必要とする、重篤な癌患者では、より重要なことになります。
乳酸リンゲル液が高乳酸血症を悪化させるという報告があり、ブドウ糖や乳酸を含む輸液は一般に避けたほうがよいと言われています。


タンパク質代謝

癌性悪液質では、腫瘍も癌患者も、両方がタンパク質を必要とします。
癌によって身体の筋肉量、骨格タンパク質合成が減少し、同時に骨格タンパク質分解、肝臓タンパク質合成、全身タンパク質合成が増加して窒素収支が変化します。
腫瘍は患者を犠牲にして貯蔵エネルギーを優先的に使おうとし、新糖生からエネルギーを得るためにアミノ酸を選択的に消費します。
タンパク質の分解と喪失が合成を上回ると、免疫反応、消化管機能、術創治癒などの重要な身体機能の多くに変化が生じます。
25種類のアミノ酸のうち、癌のイヌではトレオニン、グルタミン、グリシン、バリン、シスチン、アルギニンの血漿中濃度が有意に低く、イソロシンとフェニルアラニンの濃度は有意に高くなっていました。

良質で生物学的利用能の高いタンパク質は、患者に対しても、そして腫瘍に対しても有益となります。

*メチオニンとアスパラギン
特定の腫瘍細胞は増殖のためにメチオニンを必要とします。
メチオニンを前駆物質のホモシステインに置き換えてしまうと、腫瘍細胞は細胞周期の途中で止まってしまいます。
化学療法薬のあるものは、細胞周期特異性があります。
アスパラギンはリンパ腫の腫瘍細胞の増殖に必須の物質で、L-アスパラギナーゼによるイヌのリンパ腫の治療で、最高80%までの完全寛解が得られています。

*チロシンとフェニルアラニン
チロシンとフェニルアラニンの制限は、齧歯類動物腫瘍モデルなどで黒色腫細胞の増殖を抑制することがわかっています。

*アルギニンとグルタミン
アルギニンはイヌでは条件必須アミノ酸と考えられています。グルタミンは、最近、特定の病態生理学的状態においてのみ必須のアミノ酸であることが認知されました。

アルギニンとグルタミンは特異的な治療的価値を持っていると考えられています。
食餌中に、アルギニンとn-3脂肪酸を増量すると、罹患したイヌの臨床徴候やクオリティ・オブ・ライフの改善、生存期間の延長が見られました。

グルタミンは、ヌクレオチド生合成のために不可欠な前駆物質で、腸上皮の酸化的エネルギー生産の材料として重要です。腸の改善、最近の転移生増殖の減少、局所免疫の改善、生存期間の延長に有効であることが示されています。

*グリシン
一部のアミノ酸は化学療法による毒性を減少させると考えられています。
グリシンはシスプラチン誘発の腎毒性を減少させます。

脂質代謝

癌性悪液質で生じる体重減少の主原因は脂肪の損失です。
炭水化物やタンパク質と異なり、一部の腫瘍細胞はエネルギー源として脂質を利用することが困難ですが、癌患者は、脂質を酸化させてエネルギーを得ることができます。
このことから、高炭水化物食よりも高脂肪食のほうが、癌患者にとって有益であるという仮説が立てられ、最近の研究によって、高炭水化物・低脂肪の食餌は高脂肪・低炭水化物の食事よりも乳酸・インスリン濃度を上昇させること、高脂肪食が生存期間の延長させることを示唆する結果などが得られています。

脂肪のタイプが重要なことも示されています。
ω-6は、転移を助長しますが、ω-3は、腫瘍形成と癌の転移を阻害し、免疫系に刺激を与え、乳酸レベルやインスリン濃度を下げ悪液質を改善し、治療反応を増強させると考えられます。



http://www.noah-vet.co.jp/soudan/cbbs_sp1/cbbs.cgi?mode=res&namber=5407&page=&no=

投稿者/ 院長 -(2012/05/06(Sun) 20:36:56)

こんばんわ 院長 林です。

> 腫瘍によくないもの・・・腫瘍に良くない食べ物などありますか?
> 栄養をつける為にヤギミルクをフードにかけたりしていますが、脂肪分は体にで
> はなく逆に腫瘍に栄養を与えてしまうのでしょうか?

腫瘍の栄養には炭水化物がなると言われています。
ですので、栄養源は低炭水化物のものが良いとされています。
高タンパク、高脂肪は問題ないようです。

> あと、リンパ腫と腎不全を患っているので2日に1度皮下輸液を自宅でしており
> ますが、リンゲル液でも乳酸リンゲル液は腫瘍に栄養を与えてしまう為、乳酸で
> はないリンゲル液の方がいいとネットで見たのですが本当でしょうか?

本当です。
炭水化物から乳酸が多く作られること、そして乳酸は腫瘍の栄養源になることから、腫瘍の時の点滴は乳酸リンゲルではなく、リンゲル液を使用します。


http://www7a.biglobe.ne.jp/~kawabata-ah/harbor/15.html
癌を持っている子ガ一番食べちゃいけなイゴハンってなんだロ?

癌の栄養で重要なのが特に糖分なんだ。
なぜかっていうと糖分を癌自体が代謝して、体に不必要な乳酸ができるんだよ。
すると、体は多くの乳酸を代謝しなくてはならないから、糖分を取ると、余計に痩せてしまうんだ。

エッ!オヤツはだめですカ!?

だから、できるだけ糖分を含む食事は癌をもっている子にはあげてはいけないんだよ。
食べれば栄養になるだろうと思ったら、糖分は逆効果で、吸収できるカロリーよりも癌に吸収されるエネルギーや乳酸の代謝で消費するエネルギーのほうが多くなってしまうんだ。

ボクはオヤツを食べれば食べるだケ体の栄養になるのニ癌を持ってたラどんどん栄養がなくなってしまうのですカ!


こういった状態に陥って、どんどんやせていく状態を「癌性悪液質」というんだよ。
実は細かく言うと、代謝の変化が始まったらもう障害が始まるわけだから、やせる前から悪疫質は始まってるんだ。


乳酸といえバおいしい「ヤクルト」が大好きでス

それは乳酸菌でしょ。ちなみに乳酸が体に多くなってくると、血液が酸性に傾いて体の調子がどんどん悪くなるんだ。だから、腫瘍のある体に乳酸を補給してはいけないんだよ。
だから輸液剤も乳酸リンゲル液とかは使わないで、酢酸リンゲル液や生理食塩水、5%ブドウ糖液などを使うんだ。
体が乳酸を処理するのに大変なのに、乳酸を足したら体に余計に負担をかけることになるからね。

そういえバ筋肉が減ってゆくって言ってたけドどういうことなノ?

腫瘍はエネルギー源として蛋白質を優先的に使う傾向があるんだ。
だから筋肉がどんどん減ってくんだ。また糖を利用するときにもあるアミノ酸を使うので、免疫や消化、キズの治り具合などに影響してゆくんだ。
だから、不足になるアミノ酸は補給するべきだね。

いままでの話だト、オヤツが一番のご飯だネ!


いや、いままで何を聞いてたのさ。、
・糖分が少ない
・蛋白質が適量に含まれている
・脂肪酸が多く含まれている
ご飯が腫瘍にはいいんだよ。
どんな蛋白、脂肪酸がいいか、とかは獣医さんに相談だね。