毎年、大みそかの国民的イベントである、
レコード大賞と紅白。でも、私は、一時期、
いずれも、関心を無くしていたことがあった。
私が、レコ大の番組を初めて見たのが、昭和
44年、45年頃で、私は、小学生高学年
だった。佐良直美とか、ちあきなおみとかが、
レコ大取っていた。何だか知らないが、毎年、
随分盛り上がる番組だなあという印象だった。
私は、勿論、それ以降、毎年楽しみに見ていた
ものだ。しかし、昭和53年、当時、人気絶頂
だったアリスというフォークバンドがいた。
言うまでもなく、谷村新司、堀内孝雄が所属
したバンドである。当時、アリスと云えば、
国民的、カリスマ的バンドだった。そのころは、
アーチストといえば、吉田拓郎、井上陽水を始め
として、「自分はTVには絶対出ない!」という
ポリシーを持っていた人たちばかりだった。
アリスは、同年秋季頃から、早々と、レコ大
及び、紅白も、全ての歌謡祭の出場を辞退する!
と宣言したのだ。宣戦布告状みたいな感じがした
ものだ。それだけ、レコ大、紅白はすべての歌手の
最高峰みたいなものであり、これらのイベントに
出演することは、歌手にとっては、最高の夢だろう。
それを、アリスは、こともあろうに、辞退する!と
ブチまけたのだ。アリスは、当時一部のひとたちに
何て、反骨精神旺盛なバンドだろうと評価された。
アリスだけでなく、同年これまた人気あった世良公則
とツイスト、原田真二も辞退を表明した。かれらに
してみれば、レコ大、紅白に「何様のつもりだ!」
と言いたかったのだろう。この時期は、権威に反抗
するのが流行ってたのだ。続いて、昭和55年、大都会
がヒットしたクリスタルキングも、紅白には出たがレコ大
は辞退した。紅白も、この頃から、「もう、お開きにしたら?」
と云われていた。
私は、この人たちの意見は、何となく硬派で玄人の意見
であるかのように付和雷同していただけだった。やはり、
レコ大と紅白は、大昔から継続している、国民的イベントで
あり、魅力ある番組だ。私は、やっぱり支持する。私はいずれも
10年前くらいから、レコ大も紅白も、しっかり見直して、
今では、元通り、毎年、しっかり見ている。