私は、1933年(昭和8年)、外国が制作した

「キング・コング」のDVDを所持している。パッ

ケージの水野春郎氏の解説に、CGもろくに無い

時代に、よくぞ、こんなに面白い映画を作った!

と絶賛している。私も同感である。しかし、私は

ネットで最近初めて知ったのだが、本作は作るのに

何と7年もかかったという。1954年(昭和29年)に

東宝が「ゴジラ」を制作した時、なぜ、キングコング

みたく、アニメ人形にせず、ぬいぐるみ怪獣にした

かというと、後者のほうが、手間もかからないし、

短時間で撮影できるし、予算もかからないからだという。

私は、子どもの頃は、怪獣映画作るのに、ぬいぐるみ

使うのは当たり前じゃないかと思い込んでいた。いや、

ぬいぐるみという言い方も、なんか蔑んでるようなので、

私はイヤだ。せめて、スーツと言おう。私は、子どもの

頃は、ただ、怪獣映画を「凄い、凄い、素晴らしい」と

高揚しながら見ていた。60年代70年代、私が就学生の頃は、

ゴジラやウルトラマンと云えば、カリスマ的、絶対的存在だった。

今の子どもたちで云えば、「鬼滅の刃」「ワンピース」に当たる

のではないか。私が、怪獣のスーツの中に入っている俳優

(スーツアクター)が、中に入ってる人、すげー、蒸し熱いだろうな、

と、気付くようになったのが、私は、20歳前後になってから、漸く

だった。大体、怪獣スーツというのは、俳優は着るのも一苦労

だし、脱ぐことも、これまた一苦労だろうと、私も、段々分かってきた。

ましてや、演技もしないとなんない。

 もし、昭和29年の「ゴジラ」が、スーツの演出でなく、アニメ人形

の演出だったとしたら・・ ゴジラもそんなに話題にならず、一映画で

終わり、シリーズ化もされなかったかも知れない。したがってウルトラ

マンも仮面ライダーも戦隊シリーズも存在しなかったかも知れない。

円谷英二氏が、「ゴジラ」を作る時、スーツを採用したのは大正解

だったのだ。ゴジラのスーツに入っていた俳優は言うまでもなく、

中島春雄氏だが、氏はオレの顔が出ない役なんてイヤだと渋っていた

という。それを、円谷氏は説得したのだという。

 

 現在、外国が制作した「ゴジラⅴSコング」が封切りとのことですが、

私は、まだ未見です。「シン・ウルトラマン」も見てません。焦らなくとも

DVDで見れるからね。現在の怪獣映画はどこまでがスーツで、どこま

でが、デジタルなんだろね?