某男は、部屋で一人また空想に浸っておりました。

 例によってイーエム女史のことで。

 

 「・・70年代の深夜番組は、日劇エムエイチのショータイムが

幅をきかせていた。NET系の「23時ショー」、日本TV「11PM」等。

 23時ショー、は年が変わる毎に、「スタジオ23」、「ザ・23」と

改名してた。

 イーエム女史が、もっとも八面六臂で大活躍したのがNET系

だった。11PMは、おれが親の目を盗んでこっそり見てた最初

の頃は、女史はよく出てたが、やがてNET系ばかりの出演に

なった。当時同局は日劇と契約して女史を独り占めにして

しまったのではないか。なんせ彼女がショータイムを演った

番組は、必ず視聴率がいつもより、ひとけた上がったと云う。  

東京12チャンネルの

「男の時間」にも出るには出たが、少ししか出演しなかった。

 

 ・・やがて、例の番組は77年、初心に帰ろうとしたのか、

タイトルは元の23時ショー、に戻った。当時おれは高校卒業し

入院中だった。おれはやっと退院し、本番組見ると女史は

相変わらず華麗に踊っていたが、おれはノイローゼがまだ

残ってて、いままで通り画面に目を釘付けにされる余裕が

なかった。やがて本番組はいつのまにか打ち切りになってた。

 ついでにいうと、同年は「男の時間」も山城氏が立場のよわい業界人

に冷たい態度をとったTV局を批判したというので、これまた・・」

 

 男は暫くフリーターやってたが、病気がおちついてきた頃、

80年の春季頃、某スポーツ新聞の業界欄見て、女史が

結婚して引退してたことを知った。