某男は75年(昭和50年)、高等学校二回生だった。

男にとっては本年数を聞いただけで、郷愁がほとば

しってしまうのだった。時は三木武夫氏が総理で

あり、二年前の第一次石油ショックの大騒ぎが、

漸く一段落ついた頃である。

 

日劇のE・Mさんのショータイムが益々油が乗り、

大暴走していた。彼女は当時実力、人気最強で

あった。高等学校の方は二年はクラス編入があり、

かれは、また例のH・Kさんと同じクラスになり、

しかも、かれの前のななめ右の席だった。

彼女は一回生の頃から、みずからバッドガール

であることを、アピールしているひとで学校でも

著名であり、本人はどうにも男子にスカートの

中を覗かれたがってるし、めくってもらいたがっ

てるようなのだ。斯くして彼女は自由時間の時に

男に大胆なパフォーマンスをよくやって見せたの

だった。E・MさんもH・Kさんもバストは小振りの

方だが美尻をしきりに売り物にしていた。二人共

ヒップは90は軽くあっただろう。

 

 

昭和50年は中ピ連の榎 美沙子とかいう人がウーマン

リブ運動家の総帥だと称し、おかしなことやってた。

ずうとるび、とかいう歌謡お笑いグループも話題だった。

それと、当時男の地元では土曜のお昼過ぎにやってた

寄席番組に無名時代のツービートが、レギュラーで

前座で漫才やってたのを男は覚えていた。

 

マンガでは、山上たつひこ氏の「がきデカ」が人気

どころか、社会現象になっていた、男も最初は目を

釘付けにされてたが、本編は月日がたつにつれて

画がグロテスクになってゆき、内容もマンネリに

なり男は飽きてしまった。

 

75年は、怪獣映画では、ゴジラ・シリーズは

本年の「メカゴジラの逆襲」で打ち切り。ウルトラ

マン・シリーズでも「ウルトラマンレオ」で・・。

仮面ライダーでは「ストロンガー」で・・

怪獣映画はゆきづまったのだ。

 

男は本年は、作家では筒井康隆氏の大ファン。

前年までは文庫本ばかり読んでたが、男は

新書版にまで食指を動かし、当時馴染みの

書店で次々買って読んでた。

 

プロレスでは、新日では、あの伝説の「猪木

対ロビンソン戦」をオンエアしてた。

対する全日はオープン選手権。開幕戦では

全日でもっともドル箱レスラー同士だった、

ドリー・ファンク対ブッチャー。盛り上がった。

他にも、馬場対木村、鶴田対木村、ドリー対

ホフマン、レイス対ローデス  

 

男にとっては75年(昭和50年)は就学生の頃で、

もっとも黄金の年であった。