僕は、今年の7月頃だった。
お昼の病院の外来も終え、銀行の業務も済み、家族の
同居人(姉)のお使いの商品もちゃんと買い、お昼過ぎ自宅に戻った。
うちに帰ると眠くなってきた。僕はひとむかし前から
眠剤がないと眠れず、自然に眠気がさすのは珍しい
ことなのだ。僕が寝る間際、姉は外出してくる、と出かけた。
僕はこんこんと眠り続けた。
それはいいのだが、僕はやがて突然がばっ、と上半身起こし
怒りだした。
「ふざけんじゃねーよ、やってらんねーよ、とぼけてんじゃねーよ・・」
ぼくは、むかし何のいわれもないのに、ぼくに破廉恥なふるまいをした
輩数人の夢というかまぼろしを見ていたのだ。つまり寝言言ったわけ
だが、ふつう寝言は本人はちっとも憶えていないはずだが、ぼくは
憶えていたのだ。ぼくは侮蔑の声を吐き出すと、また横になって
やすみの続きとった。その時部屋には僕一人しかおらず、姉が
いたら、びっくりしてたろう。ぼくは声だけは大きい。そして僕は
姉にぞんざいなこと言ったことは全然なかった。