わたしめは、18の時精神科神経科に入院しておりました。

(わたしめは早生まれです) 最初は3Fの閉鎖された病棟に

お世話になってました。 病院の食事なのですが朝昼夕方と

三度のご飯以外にも、午後6時におやつの時間がありました。

入院中の患者は、家族から月に一度1万円の小遣いをもらい

それを病院に預ける決まりになってました。日中に看護婦(士)

のかたが、各患者に病院の一階に結構規模の大きい売店が

あるから、買ってきて欲しいお菓子や飲み物、雑誌を訪ねて、それメモ

するんですね。そして雑誌は買ってきたらすぐに患者に渡し、

各患者のオーダーしたお菓子飲み物は、カギをかけて患者が

入れない部屋の大型冷蔵庫に入れてありました。

(勿論、タバコ、酒はご法度!大体当時タバコはまだともかく、酒なんか

扱ってる訳ない!)  そして、午後5時に看護婦(士)さんが各患者に

今日出して欲しいおやつを聞きメモするのです。そして午後6時に

ピンクの大きな籠に入れられて、ホールに出されわたしら患者は

オーダーしたおやつをとり、それぞれ長い机にそれぞれ腰かけ(もちろん、

男子専門、女子専門と別れてました。)食べるんですな。


 それはいいのですが、わたしめはいつだったか、煎餅、スナック類、

缶ジュース、そして食べかけの6個入りのダイフク餅(すでに一コ

食べてた。)ほおばっておりました。わたしめは、ダイフク餅はいつもの

通りひとつだけ食べることにしてました。ダイフク餅ですけど現在は

いつのまにか廃版なりましたけど、70年代当時はどら焼きくらいの

大きさでボリュームたっぷりの饅頭6個入りは、よく売れた和菓子

でした。わたしめはダイフク一コ最後に食べるとお腹いっぱいに

なりましたので、ほかに食べたお菓子の空袋のゴミ、空き缶、ダイフク

は明日食べようっト、と、それらのものをいつもの通りピンクのかごに

戻そうとしました。  さあ、これから問題が起きたんですワ。



 ダイフク餅は、四個残ってました。わたしは、そのとき、また

強迫思考などという下らぬものに襲われたのだ。それとも

パラノイアというべきか。


 「おれは、この残ったダイフク餅を今日中に全部食べないと

恐ろしい運命が待ち受けてるのではないか・・ ??」

 まったく、精神分裂症なんて、我ながらあほらしい病気ですワ。

 涙ぐましいはなしですが、信じられないことにわたしめは

お腹パンパンなのに拘わらず、残りのボリュームたっぷりの

四個もとにかくぜんぶ食べました・・。わたしはその時ゾンビ

みたいな顔して喰ってたのだろうか。

 わたしはおやつを終えると、じぶんの病室にふらふらした

足取りで戻りました。  わたしはそのあと、腹痛起こしたか、

嘔吐したか、のち下痢起こしたかはおぼえてません。


 とにかく、何かとうなされる程、わたしは当時からだがメチャクチャに

壊れてたんだなあ・・。  


 わたしめの、若いときのしくじりですヨ。