花粉症のシーズンが始まりました。

症状がつらい方にとっては非常に大きな苦痛です。

今回は、花粉症に用いられる代表的な漢方薬を紹介します。


小青竜湯 19


花粉症への漢方薬と言えば、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が王道です。

小青竜湯は鼻汁を止める効果に加え、サラサラ喀痰を伴う湿性咳嗽にも効果を認めます。

鼻炎、結膜炎、気管支炎、気管支喘息等にも使われます。

スギ花粉症だけではなく、ヒノキやイネ科の花粉症にも有用です。

ただ、「効く人には効くものの、効かない人には全く効かない」というイメージで、鼻汁を止める有効率は50~60%程度と言われています。

眠気の副作用がないため、単剤で効果があれば安心して服用継続できるという強みもあります。

 

  

 


小青竜湯の効果が今ひとつの場合、薬効を最大限発揮するために、2つの方法があります。

①抗ヒスタミン薬との併用

眠気の副作用が少ない第3世代の抗ヒスタミン薬(ルパフィン・ピラノア)を併用することで、相乗効果を発揮します。

また、抗ヒスタミン薬単剤を使用していて薬効が足りない場合に、最初の漢方薬として小青竜湯を追加してみるという方法もあります

②麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)127との併用



体の弱い人や高齢者に風邪などに処方されます。

「温める」生薬を多数含む麻黄附子細辛湯は、温めて発汗・発散作用を促し、単剤使用でも鼻汁がすぐに止まる事もあり、

血管運動性鼻炎にもよく使用されます。

麻黄附子細辛湯に入っている生薬の「附子」は、高齢者には比較的副作用が少ない一方、

ごくまれに若年者が附子の副作用で動悸を訴えることがあるので、注意が必要です。

高齢化のコロナにも有効という説もあります。