2種類以上の坐薬を使用する場合、使う順番は基剤によって決まります。


坐薬の基剤には大きく分けて水溶性のものと油脂性のものがあります。
小児には解熱薬、制吐薬、抗けいれん薬などの坐薬がよく使われます。

また、解熱薬と抗けいれん薬、あるいは解熱薬と制吐薬というように2種類の坐薬を組み合わせて使うことも珍しくはありません。

しかし坐薬を併用する場合、使う順番によっては有効成分の吸収に影響が出ることもありますので十分な注意が必要です。

 


例えば熱性けいれんでダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤が処方されている場合、まず水溶性基剤であるダイアップ坐剤を入れ、ジアゼパムが吸収されてからアンヒバ坐剤を入れる必要があります。





少なくとも30分以上の間隔は空けなければいけません。

 理由


油脂性基剤の坐薬を先に挿入した場合、直腸内に油脂性基剤が残ります。 その状態で、水溶性基剤の坐薬を挿入すると、水溶性基剤の坐薬内の脂溶性の有効成分が、直腸内に残っている油脂性基剤に取り込まれ、吸収が阻害されてしまい、後で挿入した坐薬の効果が薄れてしまう可能性があるためです。