イボの種類
よく行われる治療は、液体窒素による凍結療法です。これは液体窒素という超低温(-196℃)の液体にひたした綿球をあてて、イボを直接凍結させる治療です。イボの大きさにもよりますが、1回では全部は破壊できず、また増殖してくるため何回か処置が必要です。特に足底や爪のまわりにできたものは難治性です。また、この処置は強い痛みを伴います。ただ、他の治療法と比べて有効性は高い。
外用療法としては角質軟化作用のあるサリチル酸が含まれたワセリンや貼付剤、角化細胞の増殖抑制作用のある活性型ビタミンD3が含まれた軟膏、タンパクを凝固変性させウイルスを不活性化させるグルタルアルデヒドやウイルスDNAを破壊するモノクロロ、トリクロロ酢酸などがあります。(但し、保険適応があるのはサリチル酸のみ)
サリチル酸や活性型ビタミンD3軟膏単独では効果が弱いため、凍結療法と併用することが多いです。グルタルアルデヒドやモノクロロ、トリクロロ酢酸は副作用も強いので凍結療法に抵抗性の足底のモザイク疣贅や、イボの数が多すぎて凍結療法が困難な人などに適用がよい
内服療法としてはハト麦から生成される漢方薬のヨクイニンが一般的です。
その他、外科的手術療法、局所免疫療法、抗腫瘍薬外用、局注、暗示療法などもありますが、あまり一般的ではありません。
治療
尖圭コンジローマの治療法には、①塗り薬による治療法、②焼灼・切除による治療法の2つの方法があります。病変の大きさや数、場所、形状、副作用、患者さんの希望によって決まります。
① 塗り薬による治療法
ベセルナクリームが尖圭コンジローマの第一選択治療薬になっています。この塗り薬は、感染した細胞にダメージを与え、ウィルスの増殖を抑制・消滅させる働きがあります。自分で週3日患部に塗り、10時間以内に薬を石鹸で洗い流す方法です。ゆっくり効いてきますが、傷跡が残ることも少なく再発率も少ないのが利点です。しかし、副作用として皮膚がただれることがあり、腟や腸の粘膜面への塗布は禁忌ですので、必ず定期的に医師の診察を受けながら8週間~16週間続けていきます。
② 焼灼・切除による外科的治療法
・冷凍凝固法
-196度の液体窒素で尖圭コンジローマを凍らせて小さくする方法です。多少の痛みが数日間続くことが難点です。
・レーザーや電気メスによる切除法
局所麻酔後に炭酸ガスレーザーや電気メスによって焼き切ります。コンジローマに直接レーザーが当たると周辺にウィルスが散ってしまうのが難点なので、術者の経験が必要です。
・外科的切除法
局所麻酔によってコンジローマを根元から浮かせて切除します。大きなコンジローマや、早く治療したい方には有効です。外来で短時間でできる処置ですが、清潔な手術器具が必要になり、多少出血するのが難点です。妊娠中は外科的切除法が第一選択です。
■水いぼ
自然に治るのを待つ
基本、水いぼは1年以内にほぼ自然治癒します。外科的にピンセットを使ってつまんでとったり、液体窒素でいぼを凍結させたりする方法は、痛みも伴いますし、皮膚を傷つけるため、二次性の皮膚の感染(とびひなど)のリスクもあります。
アシクロビルやシメチジン、ヨクイニンなどの内服薬も処方されていることがありますが、これらの内服薬も効果があるというはっきりとした証拠はありません。
治療
液体窒素凍結療法、傷をきれいにしたいかたは炭酸ガスレーザー治療、電気外科的治療、手術療法などがあります。
■スキンダック
軟性線維腫
首の周りに出来た小さなイボのこと。大きさは1~3mm程度のものが多く、色は褐色調で、皮膚面から少し飛び出ています。中高年以降に目立ってきますが、20歳代からでき始めます。
首以外にもまぶたやわきの下、胸など皮膚が薄くて弱い場所によく見られます。中には大きいもので直径1cmを超えるものもあります。良性の皮膚腫瘍の一種で、感染性は無く、特に心配な病気ではありませんが、衣類でこすれたり、ねじれたりして炎症を起こすことがあります。
液体窒素を用いた冷凍療法
-200℃近い超低温の液体窒素で冷却した特殊なピンセットでイボを摘むようにして凍結します。1~2週間後に、かさぶたになって自然に脱落します。治癒するまでには何回か通院が必要です。
炭酸ガスレーザー
盛り上がった組織を瞬時に蒸発させます。小さなイボなら、当日にぬる麻酔を使用して行います。
ハサミで切り取る
すこし乱暴ですが、小さなイボならハサミで切り取ってもほとんど出血しません。