今回は長らく書けずにきたクロピの死因について語ります。
5月26日の血液検査で、BUN140オーバーという慢性腎不全末期の数値が出たとき、先生は内心『終末期に入るかな』と思っておられたそうです。
ところがクロピは食欲旺盛で、骨盤骨折も順調に治ってきた。
それで『まだいける』と、緩和ケアではなく積極的な治療を続行して下さったとのこと。
27日以降のクロピの目覚ましい回復ぶりは、「クロピの旅立ち」に記した通りです。
慢性腎不全末期でありながら、クロピは尿毒症にはなりませんでした。
自力でお水を飲めていて、足りない分は輸液で補えていたし、活性炭やリン吸着剤をご飯と一緒にしっかりとっていたからです。
5日29日に甲状腺機能亢進症を併発していることが判明。
これがネックとなりました。
慢性腎不全と甲状腺機能亢進症は、併発すると危険な状態を招きかねない病気です。
この2つの病気については、改めて記事にまとめたいと思っています。
甲状腺合成阻害剤(メルカゾール)を投与して9日目の6月7日、甲状腺機能低下症に傾きはじめました。
これは思いもよらないことでした。
甲状腺機能が低下すると、体温が低いまま上がらない、体温調節中枢がうまく機能しないといった症状が出てきます。
また、痩せてしまっているせいで(皮下脂肪が薄い)、断熱性が弱くなっていた。
その上、放射によって体温が外に逃げ出していってしまうんです。
*猫の低体温症についてはこちらを参照して下さい
「子猫の部屋」猫が低体温症になったらどうする?
8日の夜、疲れきって眠っている間に、クロピは低体温症を起こしていました。
なぜか下に敷いていたペットシートが、ほんのり湿っていたのを覚えています。
体をゆっくり温めようと、ケージから出して私の側に寝床を作り、クロピのお腹と背中に50度のお湯が入った湯たんぽを当てて、上に厚手のバスタオルを掛けました。
この「寝床を変えた」ことが更に体温を奪ってしまい、クロピは「ハアハア」と早い呼吸をするようになってしまった。
そのうち不整脈が出るようになりました。
病院へ抱っこして連れていく途中、後足が時々痙攣していたのはそのせいです。
クロピの直接的な死因は、甲状腺機能低下症による低体温、それから引き起こされた心疾患(不整脈等)でした。
元々の持病である慢性腎不全と甲状腺機能亢進症による高血圧、その治療のために低血圧になってしまったのも要因の一つでしょう。
病気をいくつも抱えていると、どうしても複合的な症状が出てきます。
こうなるともう何でもありで、いつ何が起きても不思議ではないし、それなら回復する奇跡があってもおかしくはないと思っていました。
いや、奇跡を共に起こしてみせようと考えていた。
それは先生も同じだったことでしょう。
BUN140オーバー、あの日から骨盤骨折も治しながら、クロピが2週間生きていたこと自体、奇跡だったのかもしれません。
気持ちよく伸びができるようになって。
喉をゴロゴロ鳴らせるようになって。
最後の2日間は 普段通りの可愛い鳴き声を聞かせてくれるようになった。
肝リピドーシスで虹の橋の手前から戻ってきて、ジャスト10年後に旅立ったクロピ。
12年間、私もクロピも幸せでした。
ずっと私を愛してくれて、猫という種にこれほど愛されたのは初めてでした。
クロピ、ありがとう。
クロピ、今でも愛してるよ。
言葉に尽くせないほど。
