猫の肝リピドーシス(2) | 猫と占いの小部屋

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こちらでは主に我が家の黒猫クロピのこと、たまに音楽や小説について書いていきます(ФωФ)ノ
私の専門占術はタロット・西洋占星術・四柱推命ですが、あまり占術については書かないかもしれません。

猫と暮らしているみなさんも、暮らしていないみなさんもこんばんは〜( ´ ▽ ` )ノ
クロピの肝リピドーシス体験記の続きです。





かかりつけの動物病院で、この2日間の説明をした(クロピは慢性的な下痢で通院中だった)。
食餌については夕食分しか報告できないのがもどかしい。
クロピは珍しく診察台でおとなしくしていた(いつもはフーシャーとうるさい)。


診察していただき、点滴をしてもらった。
「もう大丈夫ですよ」と、獣医さんはニッコリ(´▽`)
私たちもホッとしてニッコリ(´▽`)


帰宅後、全員徹夜明けで疲れていたので、クロピを挟んで川の字になって仮眠。
起きると夕方だった。



クロピの姿がない?!



窓から脱走してしまったようだ。
「体が楽になったから、いつもの気分で出かけたんやな」とSちゃんが言った。


クロピのテリトリーは把握している。
探しにいくと、ご近所の方々から次々と声をかけられた。


「クロちゃん、怪我したん?背中に絆創膏つけてたけど」

「背中に脱脂綿付けたままウロウロしとったよ、クロ。笑ったわ、可愛くて」

「クロちゃん、背中に白いの張って走ってたけど、何かあったん?」


その都度軽く説明したけど、みなさん大事だとは思っていない様子だった。
私もそのときは同じ気持ちだった。


さほど探し回ることなく、近くのマンションの方から小さく返事が聞こえた。


私「クロピー」

(ФωФ)< ミャン…

私「クロピー、どこー?」

(ФωФ)< ミャン…


一定の大きさで返事をする。
クロピは車の下でうずくまっていた。
具合が悪くなって動けなくなっていたようだ。
抵抗しないで抱き上げられたのは、初めてだった。


「病み上がりで無理するからー。さ、お家に帰ろうね」


お水と缶詰1/3とドライフードを少々、トレイにセットして、クロピはそれを時間をかけて少しずつ食べた。
完食はしない。
というか、させなかった。
急に食べたら体がビックリすると思って。


クロピを心配したSちゃんは、その晩も泊まっていってくれた。
みんな、今日はお疲れさま(*´∇`*)
平和な夜が更けていった。




翌朝。
クロピはグンニャリと寝そべっていた。


私「おはよう、クロピ」

(ФωФ)< ミャ(おはよ)


目がいつもより座っている。
異変を感じた。
隣の書斎に駆け込んだ私は『うっ』と息を呑んだ。



そこには茶褐色でタイ米みたいに粒々した嘔吐物があった!



最初のものと思われるものには、少量のキャットフードが混じっている。


2回目のものは量は減っているが、同じ茶褐色で粒々している。


3回目のものは1回目の1/3の量だけど、やはり同じものだった。
顔を近づけると鉄のような臭いがした。


私はこれと同じ嘔吐物を、人間がしたのを見て知っていた。



血だ……血を吐いたんだ……



再び急いで動物病院へ。
その後の報告をして、嘔吐物の説明をすると獣医さんの顔色が変わった。


血液検査をしてから、輸液をした。
輸液が終わるまで獣医さんは窓辺で腕組みをし、険しい顔をしていた。
獣医さんのそんな表情を初めて見た。


肝臓の数値が軒並み異常値だった。
(他にもいろいろと処置していただいたけど、当時の記録を見つけられなかったので割愛することをお許し下さい)
私は獣医さんに、そっと訊いてみた。


「先生、これ…肝…リピドーシスですか?」

「そうですね。状態が良くなるまで毎日通院して下さい」



帰宅後、クロピはパウチを少し食べ、連日の通院で疲れたのかすぐに眠った。


私はクロピの立ち寄り所となっている方々を訪ね、現状を報告し、通院中は外へ出せないことを伝えた。
「家でも食べなかったの。すぐに伝えればよかったわ」と、みなさん悔やんでいた。
顔は出してくれたけど食べなかったそうだ。
中には涙を浮かべて「クロをよろしく頼みます」とおっしゃる方もいた。


誰もがクロピのことで胸を痛め、元気になれるよう願っていた。


昨日食べた分は全部吐いてしまった。
今日はドライフードはふやかして、他にも消化のいいものを与えた。
クロピはあまり食べられず寝てばかりいる。


なぜ、急に食べられなくなったのだろう?
下痢が11ヶ月も続いていたから?
一番ひどい頃でも食べられていたのに。
3日前に何かあったのだろうか?
出歩いている地域猫だから、クロピの行動の全てはわからない。



肝リピドーシスーーこのまま食べられなければ、猫を死に追いやる病



3日前の朝は元気だったのに。
今は死と隣り合わせにいるのだなんて。



一晩中クロピの側についていた。
お水は飲んだ。おしっこもした。
声をかけると小さな声で「ミャーン」とだけ答える。
スープはほんの少し舐めただけ。
ふやかしカリカリは何個食べたかな…。


Sちゃんは午後から仕事にいった。
毎日の通院には必ず付き添うと告げて。
その夜、独り私は眠り続けるクロピの傍らで祈り続けていた。



神様、この小さな友達の命をお守り下さい。
どうか、この子が助かりますように。
この子はやさしい良い子です。
私が辛かった時期、側にいてくれた。
他にもこの子に助けられた人々がたくさんいるんです。
クロピはまだ2歳、2歳なんです。



涙が止まらなかった。
あまりに若すぎるじゃないか。
雨の日も風の強い日も、暑い日も寒い日も、頑張って生きてきたのに。
こんなにも多くの人々に愛されているのに。
さえずるように鳴く、この子の可愛い鳴き声をもう一度聞きたい。
神様、どうかクロピを連れていかないで。







「Pray」
歌:水樹奈々
作詞:HIBIKI
作曲:上松範康


今は前だけ見ればいい
信じる事を信じればいい
愛も絶望も羽根になり
不死なる翼へと
蘇れ僕の鼓動

(中略)

破壊のセレナーデ
瓦礫の舞台(オペラ)でも
君が唄えば暁の果てに
また羽撃けるはず

僕は今でも弱いままで
光の剣を抜けないでいた
残酷な運命(いま)を逃げないで
凛と生きるために

いつしか涙は明日を灯す
奇跡の太陽に
もう行こう   護るものがあるから…

ほんの少しでいい
君が笑ってくれれば
黄昏の騎士となって
僕の全てを捧げよう

(中略)

僕は力はいらないよ
たった一人を救えるなら
百年の時をループしても
君を迎えにいく

何度倒れても空を見れば
答えがあるはず
夜明けのない世界なんてないから…

君に誓いを僕は夢を
命の限り愛の限り
震える声に口づけを
そして…そして…
限りない未来へ

僕はいつでも傍にいる
どんな時でも傍にいるよ
この世の全てが敵だって
君だけの盾になる

いつしか涙は明日を灯す
奇跡の太陽に
もう行こう   護るものがあるなら…



注※肝リピドーシスを発症した猫が、みんな吐血するわけではありません。クロピの場合、慢性的な腸炎を発症していたことが関係していました。


(続く)


思いがけず長くなってしまいました。当時のことを思い出すと、未だに涙がこみ上げそうになります。