20代の大阪勤務時代の夏の話であります。




大阪・ミナミで、いつものように、しこたま飲んだ私は、


会社の仲間と別れ、ひとり歩いておりました。




普段の私であれば、終電が終わっていれば、


ミナミ近辺のカプセルホテルに泊まりますが、


翌日が休みということもあり、


ふらふら歩いておりました。




飲みすぎたのか、足元がおぼつきません。




財布の中身も、乏しい限りで、


よく見ると、家に帰れるだけのタクシー代がありません。


足らないのです。




よく回らない頭で計算したら、


ミナミから、天王寺くらいまで歩いたら、


タクシーに乗れそうな金額が残っております。




「よし、天王寺まで歩こう!」




なぜか、酔うと、歩くことが苦にならない私は、


ふらふらしながら、日本橋の電気街あたりを歩いて


天王寺方面に向かいました。




「よし、近道しよう」




よくわからない細い道を、


勘を頼りに歩いていきました。



だんだん、町並みの明かりも少なくなり、


しかも、どこを歩いているかわからなくなってきましたが、


それは酔っ払いの変なパワーで、


どんどん歩いていきます。



真っ暗な道に入りました。



足元も暗くて見にくい状況です。




すると、




「ぐにゅ」



「なんじゃ、この「ぐにゅ」感は」




犬のフンでも踏んだか??




もう一歩踏み出す。




「ぐにゅ」




すると、薄暗い足元が、動いています。




「ぎょ、なんじゃ、なんじゃ」




足を引きました。




なんと、足元には、今でいう「ホームレス」のおっちゃんが


数十名寝ております。




「わぁー」




かなり驚きました。




ここは、大阪のもっともDEEP ZONEや。(今は観光地化されてきています)




あわてて、見えない足元で、


ただの勘で飛びながら、その場を飛び去りました。





その後、どうして帰ったか、未だに記憶が途切れて


覚えておりませんが、何事もなく帰って寝ておりました。



しかし、今もあんな驚いたことはないでしょう。



あのとき、お休み中踏みつけてすみませんでした。