◎オウケンムーンは、全く見せ場なく15着敗れた。
言い訳できない舞台で、勝ち馬から1.4差。上位馬とは現状では、 完成度、成長力での差を認めざるを得ない。秋以降の成長に期待したい。


勝ったワグネリアンは、外枠でエポカドーロ、ダノンプレミアムなどに比べると、道中、数頭分外目を常に回っており、他の上位馬と比べれば、かなりの距離を多く走った。能力が抜きん出ていなければ出来ない芸当。
過去10年で8枠から連対馬が、出ていないように、コーナーを4つ回る、2400㍍では圧倒的に外枠は不利。
ワグネリアンは、スタート後、内を見ながら、すんなり好位につける事ができ、1コーナーでのゴチャつきに巻き込まれることなく、追走できた。
直線でも、進路取りに、苦労したプラストワンピースやダノンプレミアムなどとは違い、他馬に邪魔されることなく、馬場の良いところを何の躊躇なく通れた。外枠の不利を、有利な枠に変えることのできた鞍上の好騎乗も光った。


今年のダービーは、競馬関係者、ファンみんなが、「勝たせてあげたい」、「勝ってほしい」と思っていた騎手が、勝ったと言って、いいのではないでしょうか。


騎手の中で、1番「ダービーを勝ちたい。」「ダービーを勝たないといけない。」という思いを持っていたのが、福永祐一騎手ではないでしょうか。


インタビューで「福永家の悲願」という言葉を口にしたが、それは、すなわち「競馬界の悲願」でもあったのではなかろうか。
それだけ、「福永洋一」という存在が競馬界にとって大きく、偉大であった事を物語っている。



「福永洋一の息子」という大きな重圧を背負ってきた、福永祐一騎手。今回、ダービージョッキーの称号を得たことで、その重圧から少し解放されるのかもしれない。

父・洋一氏と仲が良かった、今は亡き武邦彦氏や、もう一人の師匠、瀬戸口勉氏も天国で自分のことのように喜んでいるのでは、ないだろうか。



洋一氏のダービー初騎乗から、49年で父子の悲願を達成した福永祐一騎手。


あらためて、「ダービー」というレースがどれだけ重みがあって特別なレースあることを感じた。



そして、「競馬」が、ギャンブルというものだけでなく、純粋にスポーツとして、人に感動を与えられる。