ヨーロッパ南天天文台の赤外線望遠鏡「VISTA」が、銀河系(天の川銀河)の中心部を90億ピクセルでとらえた画像が公開された。これまでに観測された数の10倍にのぼる恒星が写っている。
われわれが住む銀河系(天の川銀河)
の中心部を、9ギガ(90億)ピクセルでとらえた画像が公開された。
この画像には、8,400万個以上の恒星が写っている。この数は、これまで撮影されてきた数の10倍だ。この画像を使えば、天の川銀河に存在するさまざまな恒星の色や温度、質量や年齢に関する重要な統計解析を行うことができる。
この画像
は、ヨーロッパ南天天文台
(ESO)の赤外線望遠鏡「VISTA
」によって撮影されたもので、数千枚の別個の写真が組み合わさっている。
天の川銀河はほかの渦巻銀河
と同様に、中心部にバルジ
と呼ばれる凸レンズ状にふくらんだ部分がある。ここには恒星が数多く集まっているが、恒星だけでなくガス状の星間物質やちり等も集まっており、恒星だけを撮影するのが難しかった。
今回の調査では、赤外線波長を使用することでガスとちりを迂回して、天の川銀河の中心部にある恒星に関する膨大な新しいデータセットを作成することができた。
冒頭の画像は1,000ピクセル版だが、本物は108,200×81,500ピクセルという、正気とは思えない画素数だ。一般の書籍の写真に使われる標準的な解像度で印刷したとしたら、そのサイズは縦およそ9m、横およそ7mになる。3階建ての建物の側面を楽に覆えるほどの大きさだ。
研究論文
は10月24日付けで「Astronomy & Astrophysics」誌に掲載された。勇気がある人は、24.6ギガバイト版をこちら
でダウンロードできる。