テレビ朝日系の討論番組「ビートたけしのTVタックル」や読売テレビ系「たかじんのそこまで言って委員会」などに出演していた政治評論家の三宅久之(みやけ・ひさゆき)さんが15日午前8時46分、東京都内の病院で死去した。82歳だった。
警視庁などによると、この日午前6時ごろ、目黒区の自宅で「トイレに行きたい」と話した後、倒れたという。家族が救急車を呼び、病院に運ばれたが、そのまま息を引き取った。病死とみられる。本人の遺志により、葬儀・告別式は密葬になる予定。喪主は長男・彰(あきら)さん。後日、お別れ会を開く。
公式ブログなどによると、三宅さんは心肺機能が衰弱したため10月下旬に入院。消化器系疾患の手術も受けたが、今月8日に退院し、自宅で療養中だった。
三宅さんは今年3月末、「話をしていても息があがる。賞味期限が切れた」として評論活動から引退。特別に出演を続けた「たかじんの―」も、最近はVTR出演する程度だった。最近は外出の際、車いすと酸素ボンベを使用していたという。
早稲田大学第一文学部卒業後、毎日新聞社に入社。政治部の記者として、中曽根康弘元首相(94)ら政界関係者と太いパイプを築いた。読売新聞グループ本社の渡辺恒雄代表取締役会長(86)とは記者時代からの友人として知られる。
退社後にフリーの政治評論家となり、テレビ朝日系「やじうまワイド」などに出演。「―TVタックル」の出演で全国的知名度を得た。他の識者とも激しい論戦をいとわず、特にフェミニズムの第一人者・田嶋陽子氏(71)との激論は番組名物といわれた。
◆三宅 久之(みやけ・ひさゆき)1930年1月10日、東京都杉並区生まれ。東京府立十九中(現都立国立高校)、早大第一文学部を経て53年に毎日新聞社入社。政治部記者、静岡支局長、特別報道部長などを歴任した。76年に退社し、政治評論家に転身。78年からテレビ朝日「ANAニュースレーダー」のキャスターを務めるなど、テレビ、雑誌などで活躍した。
ご冥福をお祈りいたします。