生産中止の見かけないモデルなので、自分なりに気合を入れてw
何回かに分けようかとも思いましたが、マイナーなものを連載するのもどうかと。。
で、コツコツ書き溜めての公開です!!
昨年入手した Bad Cat HC30R HD です!
このクラスのブティックアンプは、中古でも型落ちでも簡単に買える値段じゃないですけど、たまには手頃な価格のものが出たりするもんですw
ebay でずーっと売れ残っていたのを、何回かの価格交渉の末に Get しましたw

シリアルナンバーから2006年製、10年落ちの中古です。
Bad Cat 曰く、世界初のハイゲイン・クラスAアンプだそう。
登場以来、4世代か5世代のモデルがあるのかな?
これは2世代目のモデルでしょうか。
世代ごとにコントロール仕様が変更され、プレイヤーの要求に応じて改良してきたのでしょう。
背面はこんな感じw

電源を入れると、ロゴパネルのライトが漏れて、独特の雰囲気がありますw
整流管とソリッドの切替えスイッチがあり、ギターとの相性や、好み、気分に応じてウォームにしたりタイトにしたりできます。
残念ながらチャンネル切替えのフットスイッチは欠品 。。
6芯端子で特殊な操作ができそうなのですが、単品販売は終了、中古も見つからず。。
FX Loop はパラレルで、Send / Return のバッファ調節ができます。
面白いのは AUX Return !
音楽プレイヤーやリズムマシン、FX Return と合わせて2系統のエフェクターを使用したりできるようです。
フロントはこんな感じw

他の世代同様の2ch 仕様。
クリーンch 専用のコントロールは Volume、Tone、Reverb しかなく、ドライブch に大きく意気込みが偏っていますw
ドライブch のコントロールはかなり強烈で、スピーカーがファットでもピーキーでも受け入れてしまうような印象です。
コレを持って行く時は、練習スタジオのキャビが何であるか気にしなくなりましたw
ちょっと驚いたのは パネルの文字!
てっきり印刷かと思ったら、リア・フロントともパネル裏を削って書かれています!
そのため、光が当たるとエンボスの立体感が生まれますw

テンプレートがあるんだろうけど、同じ文字でも微妙に違うので原板は手書き!?
本体は吊り下げ式で、シェルの底には革のケースに入ったリバーブタンクがあります。

本体の全容はこんな感じw

かなりオーバースペックな電源トランスが、必要以上にアンプを重くしていますw

これは本国USAモデルなので 120V 仕様です。
でも100Vタップがあるので、昇圧トランス無しでイケるよう変更できます。
120V のままでも遜色のないパフォーマンスなんですけどねw
Bad Cat に『100V にするにはどうすればいい?』とメールしたところ、100V で駆動させる配線方法を教えてくれました。
You will need to locate the brown and brown/white wires. They are soldered together on the IEC (power plug) or the power toggle switch. Removes those wires, separate and insulate individually. You will not be using them anymore. Now, find the violet and violet/white wires coming from the same location as the brown wires did out of the transformer. You will need to solder these to the place where you removed the brown and brown/white. |
いきなり配線方法を回答してくるあたりが、なんともアメリカって感じがしますw
クリーンch は1段のみで即フェーズインバーターに行くのに対し、ドライブch は5段構え!!

出力トランス。

リバーブ端子。

パネルライトの電源端子。

※ 訂正:全ての真空管ソケットが耐震でした。

ソケットと締付け金具の間のフエルトが焦げてる。。
パワー管に規格以上の電流が流れ、赤熱化してたんです。。
電解コンデンサーもオリジナルのまま10年経過してるし。。
そこで師匠に点検整備とついでに電源トランスの100V変更をお願いしました!
で、、帰ってきたアンプがこちら!

フィルムコンデンサーには、MATCHLESS の文字がw

マーク・サンプソンつながりなんでしょうね。
2006年8月29日のデートは、シリアルナンバーと整合性がとれます。
チャンネル切替え用のリレースイッチでしょうか、OMRON製が使われてます。

クリーンch の回路はたったこれだけ!!

これ、1世代目の回路だと思われます。
2世代目はこれにトーンがついただけでしょう。
あとはもうひたすらドライブch に情熱が注がれてますwww

山と積まれた電解コンデンサー!!

やはり幾つか劣化品があったとのことで、青い電解コンデンサーが交換品です。
点検って大事ですねぇw
自己バイアスとはいえ、10年も経てば狂うもの。。
バイアス調整のセメント抵抗を追加していただいてます。

これでパワー管の赤熱も解消!!
点検って大事ですねぇww
アンプ内部にも真空管が!!
リバーブと FXバッファ用ですかねぇ。。

師匠には今回もう一つ大きなお願いをしました!
欠品した6芯端子のフットスイッチの復元製作です!

フットスイッチの機能仕様不明!(後にアンプマニュアルを入手し判明)
回路図なし!
フットスイッチ内部の画像なんかもナシ!
アンプ回路を解析し、スイッチ機能を究明し、復元するという困難なミッション!!
このミッションを打診した時の師匠の返事が
「アンプ見りゃできますね!!」
と力強いお言葉!!
本当に見事に作られてしまわれました!!

師匠!お見事!!
感謝!!感激です!!
左の緑のスイッチはチャンネル切替え。
右の赤をオンにすると、ドライブch とクリーンch がミックスされた状態になります。
LEDの電源はアンプから供給されます。

健康を取り戻し、フットスイッチも使ってフル機能楽しんでます!!

あっ!
音のハナシしてませんでしたねw
はじめはね、良いけど極上というには大袈裟か。。とも思えました、、
でも、アンプを歪ませて使うギタリストにはぴったり!
ハイゲインとはいえ、ゲイン絞ったクランチもイケる!
思いっきり歪ませても、ギターボリュームでクリーンまでもってける!
更に、幾つかのコントロールのプレゼンス域の調整能力はかなりのものです。
キャラが変わるわけでは無いので、その必要性がわかりにくいのですが、、
音を作ってから他の楽器が入ると、プレゼンスがイヤミだったり、ヌケはいいけどプレゼンスが消されるとかが良くあります。
Marshall なんかは、アンプでコントロールしきれないと、ブースターやスピーカーも巻き込んで試行錯誤しちゃうようなとことも。。
HC30 ならどっかしら出口が見つけられたりしてw
音量バランスをキープして、ローからハイまでイメージしたトーンが作りやすいw
バンドで使ってみると、よりこのアンプの凄さを感じます!
ドライブch にブースターは不要!!w
やっぱ極上です、Hot Cat!