デイヴ・マーレイ モデルを作る #7 | 冷や汗かいても後悔せず

冷や汗かいても後悔せず

できそうな気もするが、どうなっても知らないよ。

レスポールやフライングVなんかの配線は色々いじったことがあるのですが、実はストラトは殆どないんですよね。

ましてやストラトのサーキットを作るのは初めてです。

ストラトのセレクタースイッチの仕組みも知らないし、タップスイッチも初めてです。

パーツに説明書もないので、ネットで色々配線図を見たりしましたが、ナゼそう繋ぐのかがイマイチわからない。。

いかん。。これじゃ、人の配線図を真似て作っても、鳴らなかった時に対処できない気がしてきました。。

やっぱり理解してないものは作れません。。


そこで、テスターを使ってスイッチやポットの仕組みを調べることから始めることにしました。



ギターの配線は一見難しそうに見えるのですが、基本的にプラスとマイナスの電気の流れを作ればいいので、落ち着いて考えれば理解し易いものだと思います。

スイッチとかボリュームとかありますが、プラレールで電車の走るコースを作るようなものじゃないでしょうか。

なので、線路の切替機に相当するスイッチの仕組みさえわかれば、なんとかなるはずです。


冷や汗かいても後悔せず-IMG1091


テスターは通電確認や、抵抗値などが調べられます。ギターをいじるには必需品です。

私のはもう10年以上前の安物ですが、これで十分イケます。


ではまず、5Wayのセレクタースイッチから。

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これはモロに線路の切替機と同じですが、一見しただけではどう切り替わるかわかりません。

なのでテスターを当てて調べます。

通電があるとテスターのブザーが鳴るので、切り替えながらブザーの鳴る箇所を調べました。


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赤と青の部分が通電している箇所です。

赤と青がつながることはありません。

つまり、片側ずつ2つのスイッチがあるということになります。

こうして見ると、赤は一番上、青は一番下が必ず使われ、それ以外が切り替わっていくという仕組みのようです。

つまり使い方としては、入り口を分けて出口を一カ所にするパターンと、一カ所の入り口から出口を分けるパターンが使えるというようになっています。

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次はポットです。

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ポットはいわゆる抵抗機で水道で例えれば蛇口ですね。

10 から 0 にひねっていくと、IN から入った電流に抵抗が加わり OUT から出て行く量が少なくなります。

アースは、INから入ったものには抵抗が作用してませんでした。つまり、常に蛇口全開の出口です。


逆に、アースから流すと、10 の時に蛇口は閉められ、0の時に蛇口全開で OUT に流れました。

これは知らなかったです。 一番下の接点はアース用と勘違いしてました。。

なので、作った絵にも Earth と書いちゃったわけですが。。。

つまり、この違いによってボリュームで使ったりトーンで使ったりするわけなのですね。


それからポットに付いたタップスイッチを調べます。

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これも左右独立の2つのスイッチからできていました。

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これでスイッチの理解はできました。



では、配線を考えていきます。

いきなりやりたいことの配線は考えられないので、段階的に考えていきます。

まずはシンングルコイル3つでトーン無しの1ボリュームを考えました。

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オレンジの線がピックアップに入るまでのプラス、黒の線がピックアップを出たマイナスとして考えます。


一番下のシールドの部分から辿ってみます。

シールドから来た電気はボリュームポットの背中に繋がり、分岐して常に3つのピックアップに流れ込みます。

それぞれのピックアップから出た電気は、セレクタースイッチの異なる入り口に入り、ボリュームポットへ繋ぐピックアップを選択できるようになっています。

そして、ボリュームポットで電流の量が調節され、シールドに戻っていきます。

トーンが無ければ、わかり易いですね。


上の図とポットの仕組みを理解できたことで、ストラトのトーンが入った配線図がようやく理解できました。

冷や汗かいても後悔せず-Circuit005

トーンが加わっても、さっきの配線部分は全く一緒です。


ここで出てくるのがコンデンサーです。

コンデンサーは通過する電流の高域の周波数に抵抗が作用する性質があります。

なのでコンデンサーを通過する電流が多いほど、高音がカットされて音が丸くなる訳です。

上の図を見ると、セレクタースイッチで選択されたピックアップからの電流が分岐する恰好で裏にあるスイッチの IN に送られます。

リア用の OUT には何も繋がっていないのでリアにはトーンがききません。

フロント用の OUT はフロント用のポットに、センター用の OUT はセンター用のポットのアース繋がっています。

ポットの Earth から電流を送るので、メモリが 10 の時には電流が遮断され、 0に近づく程に OUT に出て行きます。

そしてコンデンサーを通ってアースされます。

特徴的なのは、1つのコンデンサーを2つのトーンポットで共有している点です。

これが自分なりの理解なのですが、多少誤解はあったとしても概ね正しいのではと思ってます。


では、リアとフロントをハンバッカーに置き換えてみます。

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単純に、フロントとリアをハンバッカーにしただけですが、リアにもトーンを効かせる工夫をしました。

セレクタースイッチの青い線がそれです。

フロントとリアのピックアップが同時に鳴ることはないので、この青い線を加えれば、フロント用のトーンポットが、リア用としても使えそうです。

と、書いててふと思いました。

多分私の使い方としては、レスポールのようにフロントとリアのトーンが独立している方が良く、むしろセンターはどーでもいい。

ということで、急遽変更です。


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これでリアとフロントの独立したトーンができました。

そのかわりにセンタートーンがありませんが、ハーフトーンの時はセンターにもトーンが効くと思うので、それで良しとします。



では、これにタップを加えたものを考えてみました。

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タップは IN を分けて、OUTを一つにする使い方をします。

これでトーンのタップスイッチを引き上げると、青いタップ線が生きて ハンバッカーがシングルになるはずです。

うまく行くでしょうか。。

これでサーキットを作ってみます。