Fender USA Dave Murray Stratocaster | 冷や汗かいても後悔せず

冷や汗かいても後悔せず

できそうな気もするが、どうなっても知らないよ。

ちょっと前に気になるギターが Fender から出てました。

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若かりし頃、私をHMの世界に目を向けさせたのは、アイアン・メイデンでした。

私がメイデンを知ったのはセカンドアルバムが出た頃で、まだフォーク少年だったのでハードなサウンドには縁遠かったのですが、初めて聴いた瞬間から虜になってしまいました。

当時は、デイヴ・マーレイとエイドリアン・スミスのツイン・ギターでした。

ギタリストとして評価されていたエイドリアン・スミスと違って、チョーキングも上がり切らない、アームとトリルのコンビネーションで指グセ主体のようなスタイルのデイヴ・マーレイは B級のような扱いだったように記憶しています。

でも、私のお気に入りはデイヴ・マーレイでした。大好きでした。

ミュージック・ライフのような音楽雑誌では、デイヴ・マーレイの笑顔が E.T に似ているといって、色モノてきな風刺画なんかも描かれてました。

でも、私のお気に入りはデイヴ・マーレイでした。私のギタ・ヒーローの一人でした。

当時のハードロック・バンドは、スーパー・ギタリスト必須のような風潮で、至高のソロが散りばめられた曲が毎月のようにリリースされてました。

まわりにギターを弾く友人・知人が多かったので、皆競い合ってコピーしたものです。

そうした仲間内で、デイヴ・マーレイのプレイのひとつでもクローズ・アップされたことは記憶にありません。

でも、私の中では彼はスーパー・ギタリストの条件を備えていたのです。


その理由がこのギターにあります。”ストラトにハンバッカーを載せる。”


当時は画期的なものでした。

この人が世界初かはしりません。が、HSH構成のギターは当時から彼が元祖的な存在だったと思います。

スーパー・ギタリストは、自身のアイデンティティ/アイコンともいうべきギターを持っている。

こんな思い込みが私にはありました。そういう意味で、デイヴ・マーレイはそれを持っており、エイドリアン・スミスは持ってませんでした。

エイドリアン・スミスは(ノーマルに見える)レス・ポールを使ってました。

当時の私はレス・ポールが大嫌いでした。

そういう贔屓目になる理由もあって、大好きなバンドのアイアン・メイデン、その中で分り易いアイデンティティを持つデイヴ・マーレイは私のギター・ヒーローだったのです。

しかし、私がメイデンを知った頃、デイヴ・マーレイ・モデルなんてギターは売ってません。

なので初エレキとなる黒の57年モデルのTOKAIストラトを買い、数日後には手に血を滲ませながらノミでボディをくりぬいてました。

ピックガードからフロントとリアのピックアップを引きちぎり、ヤスリで穴を拡げ、ディマジオのPAFとスーパー・ディストーションを突っ込みました。

ゴールドのエスカッション、ブラスブリッジ、ブラスナット、ロング・アームへ部品も交換しました。

初期の頃は、エスカッションがクロームじゃなくてゴールドだったんですよね。ナットもブラスだったし。。

勿論、ナットの溝切りも自力です。

そうして、完成したのが私の初めてのエレキ・ギター、トーカイ・ストラト'57改造・デイヴ・マーレイ・モデルです。

今思うと、知識も経験もなくよくやったなと思います。

その後、このギターは毎年のように姿を変え、全く異なる路線の風貌になり果てた頃には、私のデイヴ・マーレイ熱も冷めてしまったように思います。

今改めてこのデイヴ・マーレイ・モデルを見せられると、なんだか表現しきれない何かがムクムクを起き上がってくるような感覚をおぼえるのです。


これはやっぱり初心に帰って自作かな。。

もう一度、作ってみようかな。。