黒部第三発電所の難工事を題材にした「高熱隧道」。
もう何度か読み返していますが、読書していて汗をかいたのはこの本が初めて。
(映画にもなった「黒部の太陽」はその後に建設された黒部第四発電所のお話し)
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いつかその現場を訪れたいと思っていましたが、関西電力の黒部発電所見学ツアーに当選し、念願の黒部に昨年秋に行ってきました。
夜行バスと循環バスを乗り継ぎ黒部ダムへ。
(今回は見学ツアーについて書きますが、また別機会で黒部ダムについては書きたいと思います)
そこから観光客は入る事の出来ない通用門にて金属探知機を使った持ち物検査を受けて、中へ(ここではヘルメット着用が義務付けられます)
バスの揺れに合わせてヘルメットがユラユラ…なかなか見ない光景です。
そしてバスの後は30分かけて移動する大型のエレベーターや専用鉄道に乗って高熱隧道に向かいます。
(少し前の話なので乗る順番等はあやふやになっていますが)
ちなみにこれが大型エレベーター。
降りる先はまるで奈落の底。
非常停止した場合に備えて横に小さな階段がありましたが、ここを上り下りするのは大変そうです。
こちらが専用鉄道。
これに乗って高熱隧道区間を進みます。
内部を案内して頂いた関西電力の係の方のご厚意で、高熱隧道区間に入ると走行中に窓を開けて外の温度を体感させて頂きました。
思った程熱くは感じませんでしたが、黒部第三発電所の工事(戦前、戦中に工事が行われました)ではあまりの熱さにダイナマイトが自然発火する事故が多発しました。
(詳しくは冒頭の高熱隧道をお読みください)
もちろん見学ツアーは発電所内部を見学してそれぞれ発電のメカニズムなどを詳しく説明をして頂きましたが、今回は割愛します。
高熱隧道の本では工事従事者の宿舎が突然の突風で建物ごと吹き飛ばされ、多数の死者を出すという事故がありましたが、案内の方に伺うと実際の現場を教えてくれました。
山の中腹に緑が剥げている部分がありますが、そこが現場だそう…合掌。
(詳しくは高熱隧道を!!!)
あと工事の資材などを運んだ日電歩道は、道が険しくこちらも何人の方が犠牲になったそうですが、現在も歩けるそうです。
現在は下の廊下と名前を変えていますが、難所には変わらず。
(高所が苦手なので行きませんでしたが、行った方によると当時の高温状態で止まったままの温度計が残っていたりするそうです)
かつては人が立ち入ることのできない程、厳しい自然だった黒部。
ここに巨大なダムや発電所を建設するために沢山の方々の大変な苦労と犠牲がありました。
黒部ルートはいずれ一般公開される予定だとか。
そうなれば誰でも訪ねる事が出来る場所となりますが、またその時には改めてゆっくりと巡りたいと思います。