レオはパソコン画面を見つめていた。
「何んだこれは!」
視線の先に、レオがナツキのイタリア留学のために描いた設計図が、コンピュータ画像になって使われていた。
掲載してあるのは、大島建設のホームページで、シンガポールに建設予定だと解説までついていた。似たデザインを全く別の人が作らないとは言えない。しかしそれにしても、レオのデザインと余りに酷似していた。
「嗚呼~、ツグミ。今、パソコンで見ているよ」
耳に押し当てた携帯電話は、親友のツグルと繋がっていた。
「まさかイタリアの大学からもれたってことでもないだろう?」
レオが考えたのは、ナツキが大学に図面を提出した時に、向こうの関係者が一部を模倣したのだろうと推測していた。
何も建築だけの話しではない。絵画や舞台、ほかにも芸術的な要素を含む限り、模倣と言う卑劣な行為があとを絶たなかった。
「まるで卑怯者がすることじゃないか!」
かなりのヶ所でアイデアが真似されていて、レオも怒りがおさまらなかった。
「コイツらがやるのはいつもそうだ!」
レオの怒りは、この設計にたどり着くまでのプロセスで欠かせないデザイン上の繋がりを全て壊していた。
何故にそういうデザインになったのか。設計者が説明するべき一連の流れを、有り触れた言葉に置き換えられていた。
「ネクストステージの扉は貴方の手で?アハハ、何だよそれ!意味が分からないよ。そうだろ、ツグル!」
もう少しだけでもセンス良くまとめて欲しかった。
おまけに、その模倣会社こそが春に入社することが決まっている大島建設であった。
「ツグル、なんかあの会社に入るの嫌になって来たよ」
レオは本気でそう思っていた。
優れた才能には、それに見合った評価が相応しい。だから設計士は、生む苦しさを乗り越えて、いつもそんな評価に救われるのだろうとレオは信じていた。
「大手企業ってなんだよ。金持ちってなんだよ。奴らなら何でもして良いのか?」
電話口のツグルは、レオの言葉に優しく相槌を打ち、否定も肯定もしなかった。
「レオ、お前には才能があるんだ。きっと分かってくれる人が評価してくれる。だからそれまで諦めたらだめだ!」
何だかレオも、ツグルに反論する気が失せた。だけど大島建設に入社することの意味が大きく変わってしまった。
「何んだこれは!」
視線の先に、レオがナツキのイタリア留学のために描いた設計図が、コンピュータ画像になって使われていた。
掲載してあるのは、大島建設のホームページで、シンガポールに建設予定だと解説までついていた。似たデザインを全く別の人が作らないとは言えない。しかしそれにしても、レオのデザインと余りに酷似していた。
「嗚呼~、ツグミ。今、パソコンで見ているよ」
耳に押し当てた携帯電話は、親友のツグルと繋がっていた。
「まさかイタリアの大学からもれたってことでもないだろう?」
レオが考えたのは、ナツキが大学に図面を提出した時に、向こうの関係者が一部を模倣したのだろうと推測していた。
何も建築だけの話しではない。絵画や舞台、ほかにも芸術的な要素を含む限り、模倣と言う卑劣な行為があとを絶たなかった。
「まるで卑怯者がすることじゃないか!」
かなりのヶ所でアイデアが真似されていて、レオも怒りがおさまらなかった。
「コイツらがやるのはいつもそうだ!」
レオの怒りは、この設計にたどり着くまでのプロセスで欠かせないデザイン上の繋がりを全て壊していた。
何故にそういうデザインになったのか。設計者が説明するべき一連の流れを、有り触れた言葉に置き換えられていた。
「ネクストステージの扉は貴方の手で?アハハ、何だよそれ!意味が分からないよ。そうだろ、ツグル!」
もう少しだけでもセンス良くまとめて欲しかった。
おまけに、その模倣会社こそが春に入社することが決まっている大島建設であった。
「ツグル、なんかあの会社に入るの嫌になって来たよ」
レオは本気でそう思っていた。
優れた才能には、それに見合った評価が相応しい。だから設計士は、生む苦しさを乗り越えて、いつもそんな評価に救われるのだろうとレオは信じていた。
「大手企業ってなんだよ。金持ちってなんだよ。奴らなら何でもして良いのか?」
電話口のツグルは、レオの言葉に優しく相槌を打ち、否定も肯定もしなかった。
「レオ、お前には才能があるんだ。きっと分かってくれる人が評価してくれる。だからそれまで諦めたらだめだ!」
何だかレオも、ツグルに反論する気が失せた。だけど大島建設に入社することの意味が大きく変わってしまった。