獣医さんは日曜も点滴をしてくれたりした。
18キロをきるとやばいらしい。
すでに20キロを切り、どんどん体重は減っていった。
頭をなんとか起こす程度であまり立ちたがらない。
そしてそれすらもしなくなる。
目は濁ってしまい、視力がかなり落ちたようで壁にぶつかったりしていた。
けれど、立つこともままならなくなり、また目も完全に見えていないようだった。


横たわるだけの状態になってしまい、目も見えない。
耳は聞こえているので声をかけると尻尾だけパタンパタンと振ってくれる。


排泄は元気な時は必ず外でしていた。
犬用オムツも購入済みだったけれど、さくらはオムツでは排泄したがらなかった。
両親が夜中でも外へ抱きかかえて連れて行き、排泄させていた。


そして体重は17キロになり、それすらも下回った。
ほぼ骨と皮の状態。
ガリガリに痩せてしまったさくら。

もういつ亡くなってもおかしくない状態。


点滴と水だけの状態は1ヶ月以上続いた。



そして12月1日土曜日。
この日は朝から見えない目を開いたまま、苦しそうに呼吸していた。
午前11時半。
両親がいつものようにさくらを抱えて外へ排泄させに行った後。
部屋へ戻ってきてごろんと横になる時、珍しくおしっことウンチをもらしてしまった。


そして「ぐぅ」という声をあげ、いつもと違う様子を見せたさくらは、そのまま動かなくなったそうだ。


多分、両親がいる時に逝ってしまうのだろうと思っていたけれど。
本当に逝ってしまった。


穏やかな、そして優しい死に顔だった。
私が駆けつけたときはまだ体は温かく、まるで寝ているようだった。