●英ポンド/円相場は、132円台中盤まで値位置を切り上げている。ポンド高・円安トレンドは維持されているが、ここにきてリスク投資に慎重姿勢がみられることが、ポンド相場の上値を圧迫している。英国では比較的重要なイベントが相次いでいるが、全般的に為替相場に対する影響は限定されている。


●3月21日には、7~8日に開催されたイングランド銀行(中央銀行)金融政策委員会(MPC)の議事録が公開された。9人のメンバーの内、キング総裁を含む7人が現行の資産購入枠3,250億ポンド維持を主張したことが確認できる。一方、ボーゼン、マイルズの両委員は250億ポンドの拡大を求めていたが、この辺はマーケットの予測通りで特に材料視されていない。MPC内でインフレ警戒と景気刺激策の必要性を巡る意見対立が激化しているが、現段階ではインフレの上振れリスクに対する警戒感が強く、直ちに追加金融緩和策が迫られる環境にはない。20日には2月英消費者物価指数(CPI)が発表されたが、前年同月比では+3.4%となり、前月の+3.6%から上昇幅を縮小した。ただ、市場予測+3.3%は上回っており、厳しいインフレ環境が続いていることに変化はない。


●オズボーン英財務相は21日、予算演説を行った。高所得者への税率引き下げ、高級不動産への課税強化などが柱になっており、緊縮財政策を堅持する方針を示した。また、今年の成長見通しは0.8%となっており、昨年11月時点の+0.7%から上方修正されている。ただ、こうした経済成長見通しの改善を受けて、ポンド買いを進める動きは見られない。緊縮財政圧力が継続する中、低経済成長環境には変化がないとの冷めた見方が優勢である。日英の金利環境からみて、ポンド高はオーバーシュート状態とみているが、未だポンド買い優勢の流れは変わっていない。日銀の脱デフレ戦略に対する期待感が維持される中、リスク回避の流れなどでポンドを売られた局面は、押し目形成に留まる可能性が高い。


●今後1週間の予想レンジは、131.00~134.00円。